550MWのメガソーラーを手掛ける企業が国内に、100億円規模の投資も自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2013年11月19日 13時50分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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国内ではメガソーラーと屋根の両にらみで

 同社は日本市場でどのように活動するのだろうか。2つある。「メガソーラーと住宅の屋根(ルーフトップ)の両方を狙う」(同氏)。

 メガソーラーでは日本企業と提携してEPCとO&Mを受け持つ他、約100億円を投資する。手掛けるメガソーラーの規模としては5〜30MW規模で、10MW以上を中心にしたいとした。「日本向け投資から回収した資金を再び日本向けの投資に回すサイクルを確立したい」(同氏)。

 この100億円はどのような意味を持つのだろうか。Kishkill氏は米国市場におけるメガソーラーのコスト分析を例に挙げた。「太陽電池モジュールのコスト比率はメガソーラーにおいて25%にすぎない。モジュール以外の建築資材や工事費(BOS:Balance Of System)が35%、O&Mが8%、開発コストが2%。残りがファイナンシングコストだ。このコストが最も重要になる」(同氏)。

 住宅の屋根ではエネルギービジネスのノウハウを持っており、国内のエネルギー市場詳しいことを理由にJX日鉱日石エネルギーと提携し、太陽電池モジュールを2015年4月まで独占供給する。「欧米市場に先駆けて日本市場に初めて多結晶Si太陽電池モジュールを供給する。当社が買収した米TetraSunの技術を適用した製品だ」(同氏)。米TetraSunの太陽電池(図3)はセル変換効率が21%を超えており、モジュール変換効率でも18%以上を想定している。面積当たりの発電量が重要な住宅用太陽電池では台風の目となる可能性がある(関連記事)。

図3 米First Solarが国内向けに投入するシリコン太陽電池セル。出典:First Solar

 CdTe薄膜太陽電池はCIGS薄膜太陽電池と並んで、製造時に必要な投入エネルギーが少なく、エネルギーの「元を取る」ことが容易だ。2009年時点の調査では発電開始後、約10カ月でエネルギーを回収できる。加えて安価に入手できる。「CdTeは1W当たりの価格が最初に1米ドルを切った太陽電池だ。元素のCdと化合物のCdTeは性質が全く異なる。CdTeが安定した安全な材料であることを理解していただくことができれば、CdTeの魅力が伝わると考える」(Kishkill氏)。CdTeをメガソーラー用に日本市場へ導入する見込みだ。

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