制御・冷水・ハイブリッドを打ち出すシュナイダーエレ、データセンター向け空調を展示HVAC&R 2014 開催直前情報

「HVAC&R 2014」におけるシュナイダーエレクトリックのテーマは「データセンター・電算室用空調の分野でエネルギーを最大限に活かす方法」だ。データセンターの負荷に素早く追従する制御、効果的で低コストな冷水、局所的な発熱に対応するハイブリッド空調を特徴とする。

» 2014年01月21日 14時30分 公開
[スマートジャパン]

 2014年1月28〜31日の4日間、「温度の未来がどこまで見える? 世界を支える最新の冷熱技術」と題した「HVAC&R JAPAN2014(第38回冷凍・空調・暖房展(以下、HVAC&R 2014)」が、「ENEX 2014」「Smart Energy Japan 2014」と併せて開催される。

 展示会の開催に先立ち、スマートジャパンでは、HVAC&Rの特設ページを設け、編集部が選んだ注目企業の見どころ情報や新製品情報などを掲載する予定だ。

 今回は、エネルギーマネジメントを手掛けるシュナイダーエレクトリックの出展内容を紹介する。

データセンターのエネルギーに注目

 同社によれば、現在データセンターで使う電力のうち、空調関連が占める割合は40%程度だという。

 ITの世界では、クラウドやスマートフォンの需要が高まり、データセンター・電算室の発熱量が10年前には予想できなかったほどまで高まっている。加えて、ネットワークの普及も進み、ユーザーのアクセス状況により電算室の発熱量も大きく変動するようになった。建物や部屋で使用できる電力には上限があるため、空調関連の電力を抑え、サーバやネットワーク機器に使用できる電力を増やすことができれば、データセンターの生産性が高まり、環境負荷も下がる。

 そこで、HVAC&R 2014では、「データセンター・電算室用空調の分野でエネルギーを最大限に活かす方法」を紹介する。具体的には省エネ・省スペースを特徴とするエアーハンドリングユニット「Uniflair(ユニフレア) LE Chilled Water」と電算機室用局所冷却装置「InRow」シリーズの実機を展示する(図1)。

図1 Uniflair LE Chilled Water(左)とInRow(右) 出典:シュナイダーエレクトリック

 Uniflair LE Chilled Waterは、冷水を用いる装置であり、EC(Electrically Commutated)ファンと冷水の流量制御機能を備える。これが空調システム全体の省エネ効果につながるという。細やかな制御によって、データセンター・電算室の負荷に応じた空調を供給でき、熱源側のチラーの負荷も下がるからだ。同社によればこのような制御は一般には空調機と別であることも多いという。Uniflair LE Chilled Waterでは制御機能を備えたことで、費用はもちろん、導入時の工期も短縮できるとした。

空調ソリューションの特徴は

 日本国内のデータセンター用空調市場では、長い間、冷媒式、いわゆるエアコンタイプの空調機が一般的だった。しかし、最新のビルでは「冷水」を使った冷却方式の採用が一般的になってきている。さらに、海外のデータセンターでは従来、冷水を使った冷却方式を多く導入してきている。そこで、日本のデータセンターでも省エネ効果や運用コストを大幅に削減できる冷水を使った冷却方式の採用が増えているという。

 このため、水や冷水を使ったソリューションの実績が世界各国にある同社の製品が国内でも注目を集めているという。

 同社が局所空調を打ち出している理由はこうだ。今日のデータセンターは、クラウドコンピューティングや仮想化環境などのシステム導入により、発熱箇所や熱量が一定ではない。そこで「全体空調」だけではなく、「局所空調」を組み合わせた「ハイブリッド型空調」を利用することで、消費エネルギーを最小化するような空調ソリューションが提供できるという。これが、もう1つの展示品「InRow」シリーズの意味だ。

HVAC&R JAPAN2014

会期 2014年1月28日(火)〜31日(金)
時間 10:00〜17:00
会場 東京ビッグサイト
シュナイダーエレクトリック ブースNo.:1-314


特集 冬の省エネ

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