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» 2014年03月12日 13時00分 公開

ガスも小売全面自由化へ、電力に続いて2020年までに法制度・規制(2/2 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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200社を超える事業者を2区分に再編

 ガスの小売全面自由化に伴って、事業者の区分も見直す予定だ。現在は3つの区分があって、ガスの導管を維持・管理しながら家庭を含めて小売ができる「一般ガス事業者」が最も多い。2012年度末で209社が認可を受け、供給地域を限定してガス事業を運営している。わずか10社の電力会社が「一般電気事業者」として地域独占の電力事業を展開している状況とは大きく違う。

 このほかにガスの導管を維持・管理する「ガス導管事業者」と、大口の利用者にガスを販売する「大口ガス事業者」がある。すでに自由化されている大口の利用者に対しては、3区分の事業者すべてに小売が認められている(図4)。このうち一般ガス事業者は審査が厳しい「認可制」だが、ガス導管事業者と大口ガス事業者は審査が不要な「届出制」で済む。

図4 ガス市場の構造(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 小売を全面自由化する時点では、業務の内容によって「ガス小売事業者」と「ガス導管事業者」の2つに集約することになりそうだ。電力事業に当てはめると、「小売電気事業者」と「送配電事業者」に相当する。それぞれ認可制か届出制か、あるいは2つの中間で審査が緩やかな「登録制」を適用するのか、今後の検討課題の中でも重要な項目の1つになる。

電力に続いて2020年までに実施の公算

 もう1つの重要な検討課題は、料金の規制を撤廃した結果、事業者間の格差が不当に拡大しないようにすることである。現在のガス市場は事業の形態や規模によって4つのグループに分かれていて、上位3社で形成する第1グループが7割のシェアを獲得している(図5)。圧倒的なスケールメリットを発揮できる有利な状態にあるわけだ。

図5 調達・供給形態による4グループのガス事業者(上)と大手10社の2012年度における小売販売量(下)。出典:資源エネルギー庁

 大手よりも規模が小さい第2〜第4グループの事業者は、第1グループの3社を含む他の事業者からガスの供給を受けている。現在は小売の認可料金をもとに、他社に供給する時の料金(電力と同様に「託送料金」と呼ぶ)も決められている。全面自由化で小売の料金規制が撤廃されても、託送料金には規制を残して、公平な競争状態を維持する必要があるだろう。

 ガスの小売全面自由化は制度設計を始めた段階で、まだ具体的な実施時期の目標は設定されていない。いよいよ電力の小売全面自由化が2016年に実施できる見通しになってきたことから、同じ一般向けにエネルギーを供給するサービスとして、遅くとも2020年までにはガスの小売全面自由化を実現することが求められる。

 これから政府が急ピッチで新しい制度の設計を進めて、2〜3年以内に「ガス事業法」を改正する見込みだ。利用者にとっては電力とガスの選択肢が料金とサービスの両面で増えることになる。

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