「ピークシフト自販機」で最大95%の電力削減、日中の冷却運転を16時間ストップ省エネ機器

日本コカ・コーラは2013年に導入を開始した「ピークシフト自販機」の設置台数を大幅に増やす計画だ。2014年内に4万5000台を設置して、合計で7万3000台の体制を目指す。ピークシフト自販機は朝7時から夜11時まで冷却運転を停止しても、冷たい飲料を提供し続けることができる。

» 2014年03月14日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 「ピークシフト自販機」の外観。出典:日本コカ・コーラ

 日本コカ・コーラが展開する「ピークシフト自販機」(図1)は、真空断熱材を使って内部の気密性を高めたうえで、機内に収容する飲料をすべて夜間に冷却して保冷性能を向上させた。夏は7時〜23時の最長16時間、冬は8時〜22時の最長14時間にわたって冷却運転を停止することができる。

 この自販機により夏の昼間の使用電力を最大95%削減しながら、24時間いつでも冷たい飲料を提供することが可能になった。日中は待機電力のほかに、製品を補充した直後の冷却運転に電力を使う程度で済む(図2)。

 自販機1台あたりの年間消費電力量は従来のヒートポンプ式(2012年時点)と比べて、標準の場合で33%少なくなる見込みだ。

図2 「ピークシフト自販機」の使用電力イメージ。出典:日本コカ・コーラ

 日本コカ・コーラは2013年1月からピークシフト自販機の導入を開始して、同年12月末までに約2万8000台を設置した。2014年は2013年を大幅に上回る4万5000台を追加で導入する計画で、合計の設置台数は7万3000台になる。昼間に冷却運転を停止することで静音性が高まり、病院やオフィスにも設置しやすくなった。

 日本コカ・コーラの自販機は全国で98万台が稼働している。2015年までに自販機全体のCO2排出量を2004年比で46%削減する目標を掲げていて、ピークシフト自販機のほかにも、自販機の上部に太陽光パネルを搭載した「ecoる/ソーラー」の設置台数を増やしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.