スマートハウスの13%がゼロ・エネルギーに、年間12万円も稼ぐエネルギー管理

太陽光発電システムとHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を利用する1700以上の住宅を対象にした調査で、全体の13%が電力量の収支でゼロ以下になる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を実現できていることがわかった。それに伴って年間の光熱費もゼロ以下になっている。

» 2014年03月24日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 調査の対象は積水化学工業のオール電化住宅に2012年12月末までに入居した家庭で、2013年1月〜12月の消費電力量と発電電力量をHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)で集計したものである。

 有効回答の1726件のうち、消費電力量から発電電力量を引いた「電力量収支」が年間でマイナスになった住宅は13%にのぼった(図1)。このほかに46%の住宅でも、テレビなどの家電製品を除くと電力量収支がマイナスになる。双方を合わせた59%が国の補助金制度の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の条件を満たしている状況だ。

図1 スマートハウスにおける電力量収支の状況(左)とZEH率(右)。出典:積水化学工業

 積水化学工業は同様の調査を3年連続で実施していて、ZEHの比率は着実に上昇している。その中で家電製品の消費電力量を含めてもZEHを実現できている13%の住宅では、年間に1253kWhの電力が余る。光熱費は12万円以上のマイナスになる状態が標準的になっている(図2)。

 そのほかの住宅でも太陽光発電による売電収入が電気料金を上回って光熱費がマイナスになるケースが多い。当然ながら住宅に搭載した太陽光発電システムの容量が大きいほどZEHを実現しやすくなる。

図2 電力量収支(上)と光熱費収支(下)の状況。出典:積水化学工業

 月別の消費電力量を見ると、ZEHの状態になっている住宅では給湯・家電・冷暖房のいずれも低く抑えられていて、特に冷暖房の削減効果が年間を通じて大きい(図3)。住宅そのものの省エネ性能に加えて、家庭内の節電意欲が高いこともZEHを実現するうえで重要なことがわかる。

図3 月別・用途別の消費電力量の比較。出典:積水化学工業

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