7月の発受電電力量は前年から3.9%も減少、11年ぶりの低い水準に電力供給サービス

電力会社10社が2014年7月に発電・受電した電力量の合計が前年同月と比べて3.9%も減少して、11年ぶりの低い水準になった。4月から4カ月連続で前年を下回っている。火力は0.5%減、水力は1.4%減で、他社からの受電も7.7%減だった。再生可能エネルギーだけは3.0%増加した。

» 2014年08月14日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 2014年7月の発受電電力量は10社の合計で799.5億kWhにとどまり、2003年の7月に780.5億kWhを記録して以来11年ぶりに800億kWhを割り込む結果になった。前年7月の832.1億kWhから3.9%の大幅な減少で、電力会社の発電規模は縮小を続けている(図1)。

図1 電力会社10社による2014年7月の発受電電力量(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 10社の実績をまとめた電気事業連合会によると、気温が前年と比べて低めに推移したために、冷房需要の減少が大きかったと分析している。実際のところ7月の前半は前年よりも低く、後半は高めの地域が多かった。気温の影響よりも企業や家庭の節電効果が拡大して、需要全体が減少した結果と考えられる。

 電源の種別に見ると、全体の約7割を占める火力は前年比で0.5%減少した。水力も1.4%の減少で、水力を除く再生可能エネルギーだけは規模が小さいものの3.0%の増加を記録した。電力会社が運転する太陽光発電所などの発電量が増えたことによる。

 一方で電力会社が他社から買い入れる他社受電も大幅に減少した。前年から7.7%も少なくなり、電力会社のコスト削減につながる。さらに夜間の余剰電力で昼間に発電する「揚水動力」に使われた電力量も3割以上の減少で、日中の需要が低下したことを示している。

 電力会社の発受電電力量が前年を下回るのは、2014年に入って4月から4カ月連続である(図2)。しかも3.9%の減少率は2013年9月の4.0%減に次いで大きい。これから8月と9月の発受電電力量がどの程度で推移するかによって、需要と供給の長期的な傾向も見えてくる。

図2 直近1年間の前年同月と比べた増減率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

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