日本軽金属は太陽電池モジュールを傾斜地に設置する際に役立つ架台、傾斜地対応仕様「アルソルメガ」を2014年9月から販売する。15〜30度の傾斜地への設置に向く製品であり、従来品と比較して2割程度のコストダウンを実現したという。
「斜面設置に適した架台を製品化した理由は、ゴルフ場跡地への施工の問い合わせが増えたためだ」(日本軽金属)。
同社は全アルミニウム製の太陽光発電向け架台「アルソルメガ」を開発、製品化している。2014年9月に販売を開始したのは、15〜30度の傾斜地への設置に向く、傾斜地対応仕様「アルソルメガ」(図1)。従来品と比較して2割程度のコストダウンも実現したとする。
図1に示した設置例では、丸栄コンクリート工業と共同開発した「スロープソーラー」基礎を使用している*1)。
*1) 「杭基礎の上にアルソルメガを設置することもできるが、作業者の熟練度によっては、前後左右の位置精度が出しにくいため、コンクリート基礎を薦める」(日本軽金属)。
アルミニウム架台は鉄製の架台よりも材料(金属アルミニウム)のコストがかさむ。「顧客が支払う部材の費用はアルミニウムの方が高い。しかし、施工費用や管理運営費用が低くなることで、鉄製よりもメリットがあると考えている」(同社)。
アルミニウム架台は鉄を用いた架台と比較して耐久性と軽量性に優れる。「鉄製の架台は端面(断面)からさびやすい。そのため、海に近い立地ではアルミニウム架台が好まれる」(同社)。
軽量であるため、重機を動かす必要がなく、作業効率が高まる。施工期間短縮、施工費用低減を実現できるという。「一般には施工期間を鉄製架台の約半分に抑えることができる。最短の事例では約3分の1だ」(同社)。作業効率が高まるのはアルミニウムの軽さ以外の要因もある。「鉄製架台では棒状の部材を現場でけがく、寸法出しをする、穴を開けるといった作業が残っている製品が多い。アルソルメガは「二次元的に」組んだ形で納入しており、現場の作業量自体が少ない」(同社)。
図1にある縦と横の交点の部分を留める金具(ブラケット)が斜面用アルソルメガの特徴だという(図2)。「ゴルフ場跡地では、設置位置ごとに少しずつ地面の傾斜角が異なる。このような状況に対応しやすいよう、設置時にはブラケットを回転して杭基礎面に対して角度調整ができるような設計とした」(同社)。
なお、斜面設置用架台に掛かる荷重は平面に設置した場合よりも小さいという。「風によって押し上げられる力(吹き上げ荷重)は斜面の方が小さい。このため、ブラケットを留める力は斜面に設置したときの方が小さくて済む」(同社)。
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