実は有利なアルミ架台、信州伊那谷で2.2MWのメガソーラー自然エネルギー

エクステリア建材を扱う企業グループが長野県伊那市にメガソーラーを建設した。ふだん業務で扱っているアルミ材を加工して架台に採用した点が特徴だ。なぜアルミ材なのだろうか。

» 2013年08月28日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 伊那市とメガソーラーの位置

 長野県は日照条件が良く、土地も比較的用意しやすい。しかし運転中のメガソーラーの件数はいまだ1桁だ。

 こうした中、住宅のエクステリア建材を扱うミノ・ネットワークの子会社であるミノエナジーは自社工場の敷地を利用した出力2.2MWのメガソーラー「MINOエナジー 伊那メガソーラー発電所」(長野県伊那市)の運転を2013年9月20日に開始すると発表した。年間総発電量として200万kWhを見込む。全量を固定価格買取制度(FIT)により中部電力に売電する。

 同メガソーラーの特徴は架台にアルミニウム(アルミ材)を使ったことだ。「当社グループの美濃工業はアルミ建材の設計から販売までを扱っており、アルミ材をよく把握している。今回は安田金属工業に材料を発注し、自社で架台を製作した。アルミ材を採用した理由は鉄材と比べて工期が短くなることだ。鉄材よりもさびにくく軽いこともよい。アルミ材は高額だといわれるが、今回の場合は鉄材と価格がほとんど変わらなかった」(ミノ・ネットワーク)。アルミ架台は鉄製の架台と比べて重量は約3分の1であり、耐腐食性も高い。建設しやすく20年間の運転に向く。コスト面の課題がないのであれば、採用する価値がある。

 メガソーラーにはソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池モジュールを1万3940枚設置した(図2)。東芝三菱電機産業システムのパワーコンディショナーを採用している。

図2 MINOエナジー 伊那メガソーラー発電所の外観。出典:ミノエナジー

 今回の事業の総投資額は約7億円。日本政策金融公庫とアルプス中央信用金庫から融資を受けた。2012年夏に計画を立案、2012年末に林地だった建設予定地(自社所有地、3万3000m2)の整地を開始。日之出建工が建設を、電気工事は中部電力グループのトーエネックに依頼した。

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