地域に愛される太陽光発電──その多様な進化を遂げた実例が数多く現れた。太陽光発電協会(JPEA)は、このほど2025年度「ソーラーウィーク大賞」の表彰式を開催。太陽光発電への逆風も吹くなか、これからの“あるべき姿”が鮮明になった。
太陽光発電協会(JPEA)は2025年11月5日、2025年度「ソーラーウィーク大賞」の表彰式を都内ホールで開催した。同賞は、「地域に貢献し、地域から望まれ、他の模範ともなる太陽光発電の普及拡大に資する取り組み・事業」を表彰するものであり、「太陽光発電の地域貢献の可能性について多くの人々に認知してもらうこと」を目的に創設された。
3回目の開催となる今年は、これまでを大きく上回る応募があり、表彰件数も増大した。学識経験者からなる審査委員会での審査の結果、大賞2件、優秀賞3件、特別賞5件、リサイクル事業特別賞4件、特別功労賞1件が受賞。このうちリサイクル事業特別賞と特別功労賞は、今回特別に設けられたものだ。
審査委員会委員長の諸富徹氏(京都大学大学院経済学研究科 教授)は、次のように総評を述べている。
「太陽光発電がますます重要になってきている一方で、太陽光発電に対する逆風も強まっています。こうした中で、太陽光発電を今後さらに発展させていくためには、地域との共生・共創が欠かせません。今回ご応募いただいた事業には、社会の要請に応えるような素晴らしい取り組みが数多くありました。応募件数が増えただけでなく、事業分野も多岐にわたります。営農関係、スポーツ、地域経済、地域新電力、蓄電池の活用、長期電源化、水上設置、リサイクルなど、1回目や2回目と比べても、“太陽光と何か”を組み合わせる事例の幅が大きく広がりました。
いずれの事業も“地域との共生に基づいた太陽光発電”の普及拡大に貢献するという点で、素晴らしいものでした。特に大賞については、たいへんレベルの高い取り組みであり、甲乙付けがたく、2つの事業者を表彰させていただくことになりました。また、今年はリサイクルに関する応募が複数あり、JPEAとしても最重要課題の1つに挙げているテーマであることから、“リサイクル事業特別賞”を設けさせていただきました。加えて、“特別功労賞”も今回創設したものとなります。この特別功労賞を受賞された特定非営利活動法人そらべあ基金は、2011年の東日本大震災の復興支援から始まり、現在、全国の100カ所を超える幼稚園・保育園などに太陽光発電設備を寄贈してこられました。
今回表彰された事業・取り組みがモデルとなって、地域に貢献し地域から求められる太陽光発電が全国に拡大していくことを強く期待しております」
2025年度「ソーラーウィーク大賞」の審査結果は以下の通り。
代表事業者:株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック
共同事業者:株式会社UPDATER、株式会社TERRA、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
代表事業者:野辺山営農ソーラー株式会社
共同事業者:宮下農場合同会社、株式会社アグレス、特定非営利活動法人 上田市民エネルギー、生活クラブ生活協同組合(長野)、生活クラブ生活協同組合(神奈川)、生活クラブ生活協同組合(愛知)、生活クラブ生活協同組合(静岡)、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所
代表事業者:manordaいわて株式会社
共同事業者:株式会社岩手銀行、久慈地域エネルギー株式会社、NR-Power Lab株式会社、日本ガイシ株式会社
代表事業者:ヒラソル・エナジー株式会社
共同事業者:九州旅客鉄道株式会社、芙蓉総合リース株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社山梨中央銀行、山梨県企業局
代表事業者:箕輪町
共同事業者:八十二Link Nagano株式会社、ICT伊那みらいでんき株式会社
代表事業者:二本松営農ソーラー株式会社
共同事業者:二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社、みやぎ生活協同組合、特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所、株式会社Sunshine
代表事業者:亀岡ふるさとエナジー株式会社
共同事業者:亀岡市役所
代表事業者:三井住友建設株式会社
共同事業者:泉佐野市、一般財団法人泉佐野電力
代表事業者:株式会社市民エネルギーとっとり
代表事業者:ローカルエナジー株式会社
共同事業者:株式会社SC鳥取、公益社団法人日本プロサッカーリーグ
代表事業者:株式会社トクヤマ
代表事業者:株式会社宮城衛生環境公社
代表事業者:株式会社エヌ・ピー・シー
代表事業者:株式会社新菱
代表事業者:特定非営利活動法人そらべあ基金
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