九州の8月の販売電力量が前年比9.7%も減る、西日本は軒並み大幅減電力供給サービス

今夏は7月に続いて8月も西日本を中心に販売電力量が大幅に落ち込んだ。最も大きく減少したのは九州で前年から9.7%も減った。そのほかの西日本各地でも沖縄を除いて7%以上の減少率になっている。東京は3.6%減で、全国で東北だけが前年の実績を上回った。

» 2014年09月30日 14時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社10社の8月の販売電力量は前年から4.8%の減少だったが、特に地域による差が目立つ。天候が不順だった西日本の各地では冷房需要が少なくなり、家庭向けの「電灯」は中国・四国・九州の3地域で前年を10%以上も下回った(図1)。四国と九州では企業が利用する「業務用」も10%を超える減少率である。

図1 電力会社が2014年8月に販売した電力量の対前年伸び率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 中でも九州の需要の減少が際立っている。家庭向けが13.2%減、業務用が11.5%減で、工場などの「産業用その他」だけが2.7%の小幅な減少にとどまった。全体では9.7%の減少率になり、7月の6.2%減からさらに拡大した。西日本では関西が前年比で7.2%減(7月は4.4%減)、中国が7.0%減(同3.3%減)、四国が8.6%減(同5.9%減)で、軒並み7月を上回る落ち込みだ。

 そのほかの地域でも東京が3.6%減(7月は2.6%減)、中部が4.2%減(同1.3%減)、北陸が2.9%減(同2.7%減)、沖縄が0.9%減(同0.2%減)で7月よりも減少率が拡大した。東北だけは8月の前半に気温が高めに推移したことから、前年を上回って1.9%の増加(同2.1%減)に転じた。北海道も0.9%の小幅な減少(同1.4%減)に収まった。

 今夏は西日本を中心に雨の降る日が多く、最高気温もさほど上がらなかったことが電力需要の減少をもたらした。ただし電力各社が2013年度に相次いで電気料金を値上げしたことを受けて、家庭と企業で節電効果が着実に上がっていることも確かだ。全国の販売電力量は2014年に入って5月から8月まで4カ月連続で前年を下回っている(図2)。9月の結果も注目される。

図2 用途別の販売電力量の対前年伸び率(電力会社10社の合計。▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

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