気球ならぬ「浮遊風車」、2015年に1基200kWを目指す自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2014年12月08日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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どのような発電技術なのか

 空中浮遊式風力発電技術では、4種類の部材を利用する。機材を上空に持ち上げるためにヘリウムを充填したドーナツ型の「シェル」、シェル内に固定した水平軸3枚羽根のタービン、シェルを制御して電力変換などを行う地上局、地上局とシェルをつなぐテザー(綱)だ。

 シェルを展開する高度は100〜600m。地上と比較して上空は一般に風の流れが強く、安定している。Altaeros Energiesによれば高度600mでは同規模の従来のタワー型風力発電機と比較して、約2倍の電力を得られるという。

 装置全体を標準的な輸送コンテナで運搬可能(図2、図3)であり、建築機材や基礎工事が不要であるため、従来のタワー型の風力発電に対してコスト面で優位性があるとした。発電コストは3.3〜5.3セント/kWh。なお、地上からシェルを展開するのに必要な時間は24時間以内だという。

図2 輸送コンテナを展開している様子(クリックで拡大) 出典:Altaeros Energies
図3 上空へと展開している様子 出典:Altaeros Energies
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