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» 2015年04月01日 07時00分 UPDATE

法制度・規制:フロン排出抑制法開始、空調機器管理者が気を付けるべきこと (2/3)

[長町基,スマートジャパン]

1.機器の設置と使用環境

 判断基準の各項目を具体的に見ていくと「機器の設置と使用環境」の内、設置場所については「製品および配管部分の損傷の原因となるような振動源が設置場所にないようにすること」「製品の点検・整備が行えるような空間を確保しておくこと」という2点が求められている。

 一方、使用環境については「排水板および凝縮機・熱交換器の付着物を定期的に清掃すること」「排水についても定期的に除去しておくこと」「製品の上部に他の機器を設置する時などに製品破損させないよう十分に注意すること」の3つが挙げられている。

2.機器の定期的な点検

 「機器の点検」には全ての機器を対象とする「簡易定期点検」と一定規模以上の機器について、専門知識を持つ者が行う必要のある「定期点検」の2種類を行う必要がある。

 簡易定期点検は、全ての業務用冷凍空調機器について実施する必要がある。エアコンの場合は異音、外観の損傷、腐食、さび、油にじみ、および熱交換器の霜付きなどについて点検し、冷媒として充填されているフロンの漏えいの可能性があるかどうかを確認しなければならない。

 冷蔵機器、冷凍機器の場合はこれらに加え、庫内温度に異常が見られないか点検する必要がある。また、季節ごとに運転に対する負荷が変動するため、少なくとも四半期に一度は実施しなければならない。この点検は、機器の設置環境や点検者の技術などに応じて、可能な範囲で行うことで問題はないとされており、管理者が自ら行うことも可能だ。ただし、冷媒の漏えいやその可能性を見つけた場合は、十分な知見を持つ人に専門的な点検をしてもらうという条件が付いている。

 一方「定期点検」は一定規模以上の機器について行う。機器ごとに定められた期間ごとに一度以上の頻度で計画的に点検を実施することが必要だ。簡易定期点検とは異なり、第一種フロン類充填回収業者に委託するなど、機器の専門点検方法について十分な知見を持つ人が自ら行うか、立ち合うことが必要だとされている。点検内容については、機器の外観検査などを行った上で、漏えい箇所が特定できる場合に発泡液法、電子式漏えいガス検知装置法、蛍光剤法などの直接法で点検する。その他の場合は間接法(蒸発圧力などが平常運転時に比べ、異常値となっていないか計測器などを用いた点検)により行う。この他、直接法と間接法を組み合わせて行うケースもある。

 対象機器と頻度について詳しく見ると、以下のように定められている。

  • 冷蔵機器・冷凍機器(別置型ショーケース、冷凍冷機ユニット、冷凍冷蔵用チリングユニットなど)では、当該機器の圧縮機に用いられる原動機の定格出力が7.5kW(キロワット)以上の機器の場合は1年に1回以上
  • エアコンで同定格出力が50kW以上の機器(主に中央方式エアコン)が1年に1回以上
  • エアコンで同定格出力が7.5〜50kW未満の機器(主に大型店舗用エアコン、ビル用マルチエアコン、ガスヒートポンプエアコン)が3年に1回以上

 定格出力は室外機の銘版に記載された圧縮機の定格出力から確認できる。不明な場合はメーカーに問い合わせた方がよいだろう。なお定期点検に必要となる「十分な知見を持つ者」とは、具体的には冷媒フロン取扱技術者、冷凍空調技士などの資格や一定の実務経験があり、関連の講習を受講した人などが想定されているという。

3.フロン漏えい時の対処方

 管理者が点検を行い、機器の異常が確認され、フロンが漏えいしたことを整備者・充填回収業者から通知された場合は、速やかに漏えい箇所を特定し、修理する必要がある。やむを得ない場合を除き、修理されないまま充填を繰り返すこと(繰り返し充填)は禁止された。

4.機器の整備に関しての記録・保存

 管理者は適切な機器管理を行うため、点検や修理、冷媒の充填・回収などの履歴を機器ごとに記録する必要がある。機器の点検・整備を充填回収業者に委託した場合は、充填回収業者に点検・整備の結果を点検・整備記録簿に記録してもらっても問題はない。点検・整備記録簿は事業所などにおいて、機器を廃棄するまで紙または電磁的記録によって保存する必要がある。機器の点検・整備の前には、確認のため整備者および充填回収業者に点検・整備記録簿を見せる必要がある。機器を他社に売却・譲渡する場合は点検・整備記録簿またはその写しを売却・譲渡相手に引き渡す必要がある。

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