節電を活用したビジネス「ネガワット取引」、削減量の算出方法などが明確にエネルギー供給(1/2 ページ)

経済産業省は電力会社の要請に応じて企業などが節電した電気使用量を、電力会社が買い取る「ネガワット取引」のガイドラインを策定した。取引において想定されるさまざまな事項について具体的な指針を定めることで、ネガワット取引の普及を促進する狙いだ。

» 2015年04月13日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 経済産業省は電力会社の要請に応じて企業などが節電した電気使用量を、電力会社が買い取る「ネガワット取引」のガイドラインを策定した。ネガワット取引で想定される問題について具体的な指針を定めることで、これまで一部の事業者にとどまっていた同取引の普及を促進。効率的な電力システムの実現を目指す。

 同取引で取り扱われる需要削減量は、節電要請がなかった場合の電力消費量(ベースライン)と実際の電力消費量との差分となる。標準となるベースラインの算出には、反応時間・持続時間が比較的長いデマンドレスポンスについては過去の需要データから推計する方法を、比較的短いデマンドレスポンスは実施時間帯の前後の需要量から推計する方法を、それぞれ標準ベースラインとする。

 ただ、比較的長いデマンドレスポンスについては、需要パターンによっては標準ベースラインが適切な推計とならない場合もある。推計が妥当でないと判断される場合は例外的に代替ベースラインを利用する。

 ネガワット取引の実施に当たっては、あらかじめ取引に適用しようとするベースラインが適切な推計か否かをテスト(ベースラインテスト)する。その際、標準ベースラインにより計算した過去の需要量と、実際の誤差が20%以下の場合には原則として標準ベースラインを採用する。一方、標準ベースラインの誤差が20%を超える場合には、代替ベースラインを採用し、誤差が20%以内の代替ベースラインがなかった場合、売り手は買い手が指定するベースラインを採用することになる(図1)。

図1 ベースラインテストのフロー 出典:資源エネルギー庁

 需要削減量の測定方法としては「需要削減量の評価対象期間」「需要削減量の評価単位・評価方法」「計測方法に関する要件」を規定している(図2)。

図2 需要削減量の測定方法 出典:資源エネルギー庁
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