最新気象データで太陽光発電の採算性を“見える化”、日本気象協会がサービス拡充太陽光

日本気象協会は、「太陽光発電量の経年変動解析サービス」を拡充し、2014年までの最新データを用いたサービスを開始したことを発表した。

» 2015年06月11日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 太陽光発電は再生可能エネルギーとして普及が進む一方で、天候などの影響を強く受ける不安定な発電方式だ。加えて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)の見直しに伴い、太陽光発電を設置・導入前に、どの程度の発電量が期待でき、収益性がどのようになり得るのかを事前に把握する重要性が高まっている(関連記事)。

 特に土地の取得や建設費用が膨大になるメガソーラーの建設に際しては、事業採算性や事業実施リスクなどを評価するのに、天候およびそれに伴う発電量の精査は必須となる。さらに、毎年平均的に期待される発電量だけでなく、年によってどの程度発電量が変動するかを把握することも重要になってくる。

 そこで日本気象協会では、2013年4月に同協会の持つ豊富な気象データを基に、太陽光発電の経年変動を解析する「太陽光発電量の経年変動解析サービス」を開始。今回新たに2011〜2014年まで4年間の最新データを取り入れ、直近の日射量特性を踏まえた事業採算性やリスク評価を行えるようにした。

 太陽光発電量の経年変動解析サービスは、過去30年間(1985年から2014年まで)の日射量データを用いて、メガソーラー建設予定地点の太陽光発電量変動を解析し、報告書として提供するものだ。

 具体的な提供情報はビジュアル化し分かりやすい形で提供する。例えば、30年間の月ごと、年ごとの日射量・発電量のグラフより、対象地点での日射量(発電量)の年単位・月単位の変動を視覚的に把握できるようにする(図1)。

photo 図1:月ごと、年ごとの太陽光発電量の変動 ※出典:日本気象協会

 30年平均値や、最大値と最小値、標準偏差のグラフなども用意。対象地点での年変動の傾向を定量的に把握できるようにする(図2)。

photo 図2:30年平均値、最大値・最小値、標準偏差のグラフ※出典:日本気象協会

 その他、発電量が指定した一定規模を超える確率である「超過確率」や、月ごとの日射量(発電量)の階級別出現頻度などを提供することなども可能。リスク評価に不可欠な各種統計情報を把握できる。

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