環境産業の市場規模は約93兆円で過去最大、再生可能エネルギーの成長が後押し自然エネルギー(1/2 ページ)

環境省は日本国内の環境産業の市場規模・雇用規模などの推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」の2013年度版を公開した。2013年の環境産業の市場・雇用規模はともに過去最大になった。再生可能エネルギー関連市場の拡大が後押ししている。

» 2015年07月28日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 環境省は毎年、日本国内の環境産業の市場規模・雇用規模などの推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」を公表しているが、2015年7月24日に同報告書の2013年度版の内容を公開した。

 2013年の環境産業の市場規模は、前年比約4.0%増となる約93兆円2870億円に拡大した(図1)。雇用規模は前年比2.3%増の約255万人で、市場・雇用規模ともにいずれも過去最大となった。2000年と比較した場合、市場規模は1.6倍、雇用規模は約1.4倍に拡大した。全産業に占める環境産業の市場規模の割合も、2000年の6.2%から2013年は10.1%まで増加している。

図1 国内の環境産業の市場規模の推移。2013年度は過去最高となった(クリックで拡大)出典:環境省

クリーンエネルギー分野の成長が市場規模の拡大に貢献

 環境産業といってもその分野は幅広い。そこで環境省では全体を「環境汚染防止」「地球温暖化対策」「廃棄物処理・資源有効利用」「自然環境保全」の4つの分野に分け、それぞれの市場・雇用規模の推計を発表している。2013年の調査における各分野の市場規模は、環境汚染防止が13兆2008億円、地球温暖化対策が28兆2345億円、廃棄物処理・資源有効利用が43兆7790億円、自然環境保全が8兆728億円だ。

 この4つのうち2012年比で最も市場規模が拡大したのは地球温暖化対策の分野だ。他の3分野が微減・微増だったのに対し、同分野は前年比で約18%の成長となった(図2)。この分野は再生可能エネルギー関連市場を含む「クリーンエネルギー利用」、環境に配慮した家電、住宅設備、オフィス、製造装置などの幅広い市場を含む「省エネルギー化」、次世代自動車などを含む「自動車の低燃費化」と「排出権取引」の4つの市場で構成されている。

図2 地球温暖化対策分野の市場規模の推移(クリックで拡大)出典:環境省

 今回特に地球温暖化対策分野の市場拡大に大きく貢献したのが、クリーンエネルギー利用の分野の成長だ。2013年のクリーンエネルギー利用の分野の市場規模は6兆1194億円で、これは2012年比77%増の成長率となっている。2012年から始まった固定買取価格制度などにより、太陽光発電設備関連の市場や新電力関連の市場が拡大したことが影響した。

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