スマートメーターの接続率は約97%、新たな電力サービスは順調な滑り出し電力供給サービス(1/2 ページ)

東京電力は2015年7月以降、スマートメーターシステムを活用した新たなサービスを実施。併せてスマートメーターオペレーションセンターでの運用も開始し、順調な滑り出しを切ったことを明らかにしている。

» 2015年08月11日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 ICT(情報通信技術)を活用し遠隔から電力の検針作業が行える他、新たな付加サービスを展開可能な「スマートメーター」の普及が進んでいる。2020年度までに全顧客宅、約2700万台の設置を終える計画を示す東京電力では、7月以降スマートメーターシステムを活用した新たなサービスを開始(関連記事)。7月末時点で約240万台設置しているスマートメーターに対し、先行導入を行った東京都小平市の一部地域においては通信ネットワーク接続率100%、全地域で見ても通信ネットワーク接続率は97%を達成し、新たなサービスをほぼ利用可能な状況(図1)。新たな電力関連サービスに対し、順調な滑り出しを切ったといえる。

photo 図1 通信ネットワーク接続率の推移 出典:東京電力

スマートメーターシステムで2つの新サービスを実施

 同社は7月からスマートメーターを利用して提供する2種類の新サービスを開始。スマートメーターで計測した30分単位の電力使用量をグラフで表示する「でんき家計簿」と家庭の契約電力を簡単に変更できるようになるサービスだ。東京電力の管内では家庭向けに5アンペアから60アンペアまで7段階の契約電力を設定することが可能で、それぞれで基本料金が分かれている。従来はアンペアごとにサービスブレーカを取り付けて契約電力を変更する必要があったが、今後は東京電力のセンターから遠隔でスマートメーターの設定を変えるだけで済む(図2)。

photo 図2 東京電力の「でんき家計簿」の概要(クリックで拡大)出典:東京電力

 同社では今後、スマートメーターやコンセントレーター(集約装置)の設置を加速することにより、920MHz無線マルチホップ(バケツリレー)方式の連携状況が改善され、接続率はさらに向上する見込みを示している。

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