てんぷら油を回収して25世帯分の電力に、リサイクルでCO2削減:自然エネルギー(2/2 ページ)
みやぎ生協は電力の消費に伴うCO2(二酸化炭素)排出量の削減にも精力的に取り組んできた。バイオマスの一種であるSVOを燃料に使ったコージェネレーションシステムの導入はCO2排出量の削減につながる。バイオマスのほかにも店舗の屋上で太陽光発電を実施して店舗内で消費している(図4)。
図4 店舗の屋上に設置した太陽光パネル(仙台市の鶴ヶ谷店)。出典:みやぎ生活協同組合
東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方では、福島第一原子力発電所の事故をもとに原子力の撤廃と再生可能エネルギーの拡大を求める声が強い。みやぎ生協も2012年に見解を出して、「原子力発電所はすべて廃止し、国は再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策に転換すべき」と主張してきた。
2013年には岩手県と秋田県の生活協同組合とともに発電事業会社の「コープ東北グリーンエネルギー」を設立して、秋田県内で風力発電所の建設を進めている。このほかに日本紙パルプ商事が岩手県内で建設中の木質バイオマス発電所にも出資するなど、東北地方の再生可能エネルギーの拡大を推進している。
- 店舗から回収した廃食油でバイオマス発電、330世帯分の電力に
関東を中心に1都7県で事業を展開する生協の連合体がバイオマス発電を開始した。店舗から回収した廃食油を再利用して、月間に10万kWhの電力を供給することができる。一般家庭で330世帯分の電力になり、さらに発電時の排熱も給湯に利用して化石燃料の使用量を削減する。
- 生協が首都圏の電力を自給自足、再生可能エネルギー中心に調達
原子力に依存しないエネルギー供給体制を推進する日本生活協同組合連合会が4月1日から、首都圏にある168カ所の事業所の電力をグループ企業からの調達に切り替える。契約電力の規模は2万kWにのぼり、年間の電力量は2万8000世帯分になる。太陽光やバイオマスの割合を高めていく。
- バイオマス発電: 使わずに捨てる資源から、800万世帯分の電力
生物が日々作り出す資源の大半は、使われないまま廃棄されている。森林に残る木材から食品廃棄物まで、燃料に転換すれば800万世帯分の電力に生まれ変わる。生物由来の資源を活用するバイオマス発電は大都市と地方の両方で拡大を続け、火力発電を補完する安定した電力源の役割を担っていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.