メガソーラーの建設ラッシュは淡路島だけにとどまらず、本土側でも続々と運転を開始している。瀬戸内海から近い加古川市の山間部に、兵庫県の企業庁が運営する工業用水用の「権現(ごんげん)ダム」がある。このダムの堤防の斜面は南向きの22度で、太陽光発電には打ってつけの場所だ。
約2万平方メートルの面積がある斜面いっぱいに、合計で6900枚の太陽光パネルを敷き詰めた(図3)。太陽光をほぼ正面から受ける斜面を利用することで、パネルが作る影の範囲は小さく収まる。この利点を生かして、平坦な場所よりも1.2倍の密度でパネルを設置することができた。発電能力は1.8MWで、年間に530世帯分の電力を供給できる。
同様にダムの斜面を利用したメガソーラーの建設プロジェクトは県内の2カ所でも進んでいて、2015年度内に運転を開始する予定だ。兵庫県では2020年度までに再生可能エネルギーの導入量を155万kW(キロワット)に拡大する目標を掲げている。そのうち8割以上を占めるのが太陽光発電で、県が率先してメガソーラーを建設しながら目標の達成を目指す。
企業庁が建設したメガソーラーでは、「播磨科学学園都市」のプロジェクトもユニークだ。学園都市の中に分散する3カ所の産業用地に、合計で3万6660枚の太陽光パネルを設置した(図4)。これだけ大量の太陽光パネルを設置する架台が県産の木材で作られている点に特徴がある。3カ所のメガソーラーは2014年12月から2015年2月にかけて運転を開始した。発電能力は合計で7.6MWになる。
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