高天井の水銀灯、LEDで省エネ・小型化・明かりの質LED照明(1/2 ページ)

倉庫など高所に設置する照明は光量が大きくなければならない。この条件を満たす水銀灯を、LED照明が置き換え始めた。省エネによって電気料金を抑えることができる。省エネの次は、器具の小型軽量化と明かりの品質向上だ。

» 2015年12月02日 09時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 大型店舗や倉庫、工場、体育館など大型水銀灯が活躍する現場は数多い。2014年末ごろからこのような場所に設置する大型水銀灯を置き換える「高天井用LED照明」製品が広がってきた。第一世代の製品だ。

 大型水銀灯に匹敵する光量を備えつつ製品の寿命を延ばすことが重要であり、大型水銀灯と同等の価格を実現しなければならない。LEDに置き換えることで消費電力を引き下げ、年間の電気料金を抑えることが目的だ。

 NECライティングが2016年11月から順次出荷を開始した高天井用LED照明「LIFELED'S」9品種(図1)は、このような特徴を重視しつつ、水銀灯を超えた価値を備えているという。

 図1の4行目にある「角形1700」の発光効率(固有エネルギー消費効率)は150lm/W、消費電力は112Wだ。同社によれば、ほぼ同等の水銀灯(400W相当)と比較して消費電力が4分の1であり、約73%の省エネを実現できるとした。

図1 LIFELED'S 9品種の主な仕様 出典:NECライティング (クリックで拡大)

小型軽量化を重視

 同社によれば、高天井用照明として次に必要な特徴は、小型軽量化や高演色性、耐環境性なのだという。

 高天井用LED照明に小型軽量化が必要な理由は単純だ。設置位置が8〜10mと高く、取り付け工事やメンテナンスの手間を省くニーズがあるからだ。図1の2行目と3行目にある角形3000タイプでは現行製品(DRGC30H01K/N-PJX8)と比較して、体積を47%削減、重量を15%減らした(図2)。新製品の寸法は420×265×246mm。重量は7.8kg。

 「高効率のLED素子を使用したことと、明るさを稼ぐために(素子を)多く使いながら、素子1つ当りの電力を低減させることで発熱を抑制して高効率化を実現した。放熱の効率を高める設計を行い、使用する放熱材料を大幅に削減して、器具としての小型化・軽量化を図った」(NECライティング)。

図2 角形3000(光束3万lm)の外観 広角タイプ 出典:NECライティング (クリックで拡大)

高演色性や調光をうたう

 水銀灯は、太陽光と比較してものの色味を再現しにくい。太陽光を100とした平均演色評価数(Ra)は、30〜60と低い。このため、高天井用のLED照明でも色味の再現を目指していない製品が多い。そもそも色の再現性と発光効率は相反する。

 NECライティングは、水銀灯に加えて、対象物の色味が重要な店舗や倉庫で利用されているメタルハライドランプも置き換えようとしている。メタルハライドランプのRaは70〜90。そこで、9品種ともLEDのRaを85に高めた。

 施設で利用する高天井用の照明は、何台か組み合わせて使うことが多い。新製品では、電源と器具の間に挟み込むように取り付けるPWM信号制御の信号線調光器対応とした。20〜100%の調光が可能だ。別売リモコンを用いることで、器具やエリアごとの連続調光制御もできる。

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