ワイヤレス給電可能な電動バスが公道へ、まめな充電で航続距離をカバー電気自動車(1/2 ページ)

環境負荷が低く普及が期待される電気自動車。航続距離やコスト面でまだまだ課題が残るが、早稲田大学と東芝がこうした課題を解決するかもしれない電動バスを開発した。バッテリーを小型化してコストを抑え、その分懸念される航続距離をワイヤレス給電装置の利便性で補うというユニークなコンセプトになっている。

» 2016年02月04日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 早稲田大学と東芝の研究グループは、遠隔給電が可能なワイヤレス充電装置を搭載したバッテリー駆動の電動バス「WEB-3 Advanced」の開発に成功したと発表した(図1)。

 2016年2月1日から川崎市、全日本空輸の協力を得て、国際戦略総合特区である川崎市殿町のキングスカイフロント地区および羽田空港周辺地域での公道実証走行試験も開始している。

図1 開発した「WEB-3 Advanced」出典:早稲田大学

 こうした電動バスを含む電気自動車の普及に向けた課題の1つが、バッテリーの問題だ。重い車両を動かし、実用的な航続距離を確保するためにはある程度のバッテリー容量が必要になる。しかしそれに伴いコスト、そして車重も増えてしまう。

 そこでWEB-3 Advancedは、バッテリーの搭載量を最小限に抑え、バスターミナルに戻ってくるたびに充電することで航続距離の問題をカバーするという「短距離走行・高頻度充電」というコンセプトに基づいて開発されているのが特徴だ。

 東芝製の容量40kWh(キロワット時)のリチウムイオンバッテリーを搭載し、コンセプト通り最大航続距離は約50キロメートルと短めになっている。外形寸法は長さ6.99×幅2.08×高さ3.10メートル、乗車定員は31人、車重は約6トン。小型バスくらいの大きさだ。

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