自治体が電力会社に挑戦、基本料金も電力量料金も安く電気料金の新プラン検証シリーズ(20)(2/3 ページ)

» 2016年02月18日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

平日の単価が一律20円台のプランも

 みやま市の料金プランのうち標準的な「従量料金Bプラン」では、契約電力が30A以上の家庭であれば必ず九州電力の電気料金よりも安くなる。ただし使用量が多くない場合には料金の差はわずかだ。

 戸建て住宅を対象にしたモデル世帯(契約電力60A、年間使用量6472kWh)で比較しても、九州電力の新しい「スマートファミリープラン」よりも年間で994円安くなるだけである(図4)。1カ月あたり83円しか差がなく、割安感は乏しい。

図4 モデル世帯(契約電力60A、年間使用量6472kWh)の家庭を対象にした料金比較。出典:みやま市、みやまスマートエネルギー

 それよりも平日と休日で単価が変わる「曜日別料金プラン」のほうがライフスタイルによっては割安になる。土日に外出が多い家庭に適した「休日おでかけプラン」では、平日の単価を毎月の使用量に関係なく20円台で設定した(図5)。九州電力の「スマートファミリープラン」の単価と比べると、1段目(17.13円)と2段目(22.63円)の中間に入る水準だ。

図5 「曜日別料金プラン」の単価。出典:みやま市、みやまスマートエネルギー

 その代わりに休日(土・日・祝日)の単価は28円台に上昇する。「スマートファミリープラン」の3段目(24.49円)と比べても4円近く高い。月間の使用量が300kWhを大幅に超える家庭であれば、休日に使う電力が少ない場合に割引額が大きくなる。

 もう1つの「休日だんらんプラン」は逆のパターンで、1週間のうち決まった曜日だけ単価が安くなって、それ以外は高くなる。ただし高い曜日でも「従量料金プラン」の3段目(24.29円)よりは安い。電力の使用量が多い家庭では割安になり、特定の曜日に集中的に使うと割引額が大きくなる。

 5つ目の「オール電化プラン」は九州電力の「季時別電灯」の利用者が対象だ。季節と時間帯によって単価が変わる。年間を通じて夕方の18時から朝の8時までの単価が一律16円になり、「従量料金プラン」の1段目(17.13円)よりも安い(図6)。

図6 「オール電化プラン」の単価。出典:みやま市、みやまスマートエネルギー

 九州電力の「季時別電灯」と比べると、18時から22時の「リビングタイム」の単価が安い代わりに、22時から翌朝8時は高い。オール電化の家庭で、深夜から早朝にかけて電力の使用量が少ない場合には、「季時別電灯」よりも割安になる。

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