「自然派」で電力小売に参入するLooop、強みはずっと基本料金無料電気料金の新プラン検証シリーズ(25)(1/3 ページ)

自然エネルギーの利活用拡大を目指し太陽光発電の自作キットなどを展開するLooopは新たに家庭用を含む低圧市場での電力小売に参入することを発表した。同社の打ち出す料金プランのカギを握るのが「自然派」と「基本料金無料」である。

» 2016年03月03日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

連載:「電気料金の新プラン検証シリーズ

 Looopは東日本大震災を契機とし2011年4月に設立したエネルギーベンチャー企業だ。自然エネルギーの利用拡大を目指し、太陽光発電設備を自作できる「MY発電所キット」シリーズなどを展開し、自然エネルギーでの発電の拡大に取り組んできた。自然エネルギーでの発電だけではなくさらにその利用を拡大するために電力小売自由化の流れに合わせ、高圧と特別高圧市場では既に電力販売を開始しているが、2016年4月に低圧を含め電力小売の全面自由化が行われるのに対し、家庭向けを含む低圧市場にも参入することを決めた。

 エネルギーに関する総合展示会「スマートエネルギーWeek 2016」(2016年3月2〜4日、東京ビッグサイト)の「電力自由化 EXPO」内2016年3月2日に開催された記者発表会でLooop代表取締役の中村創一郎氏は「創業から5年間取り組んできた中で自然エネルギーの発電所については発電所設置箇所は1500箇所、合計出力は120MW(メガワット)以上となるなど、大きく拡大することができた。さらにこれらは増やしていくとともに、自分たちが作った電気を自分たちで売り、自然エネルギーの電力会社となっていきたい」と述べている。

photo 事業戦略について説明するLooop代表取締役の中村創一郎氏

低圧向け電力は「Looopでんき」

 新たに参入する低圧向け電力のサービス名は「Looopでんき」で、2016年4月1日から東京電力管内、中部電力管内、関西電力管内の3つのエリアで展開を開始する。特別高圧や高圧については「既に5エリアで展開しており、早期にこれら5エリアまではサービス地域拡大を進めていきたい」と同社事業本部 企画開発部 部長の小嶋祐輔氏は語る。

photo 図1 「Looopでんき」のロゴ 出典:Looop

 同電力料金プランのポイントとしているのが「シンプルさ」と「自然エネルギー」の2つである。

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