地域別の状況を見ると、再生可能エネルギーの発電設備の4割がアジアに集中している(図4)。累積の設備容量は7億9670万kWに達した。ヨーロッパ(ロシアやトルコなどのユーラシア地域を除く)の1.6倍、北米の2.4倍の規模がある。
アジアの国別では中国が圧倒的に多くて5億2000万kWにのぼる。アジア全体の65%を占めている。第2位は日本で9000万kW、第3位にはインドが8200万kWで続く。2013年まではインドの設備容量のほうが多かったが、直近の2年間で日本が追い越した。固定価格買取制度の導入メリットが顕著に表れている。
2015年に運転を開始した設備容量の規模もアジアが最大で、前年から12.4%も伸びた(図5)。それを上回る14.5%の伸び率を記録したのが中米/カリブ海だ。再生可能エネルギーの設備容量は全世界の1%しかないものの、今後の成長が期待できる。そのほかの地域の伸び率はヨーロッパが5.2%、北米が6.3%、南米が5.3%といった水準である。
日本にとっては国内だけではなくて海外の再生可能エネルギーの市場拡大も大きな魅力だ。IRENAがまとめた国別の特許数の統計データを見ると、日本が世界でナンバーワンである。2010〜2015年の6年間に再生可能エネルギーの分野で取得した特許数は13万件にのぼり、第2位の中国と第3位の米国を引き離している(図6)。
その中でも太陽光発電に関連する特許が6万件近くて最も多く、次いで太陽熱、水力、バイオ/廃棄物燃料、風力の順である。風力の特許も1万件を超えて、中国と米国に続く。こうした特許を生かして新しい発電設備や関連製品を数多く開発できれば、日本が世界の再生可能エネルギーの市場で主導的な役割を担っていくことも十分に可能だ。
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