送電線の復旧工事が阿蘇地区で進む、鉄塔・鉄柱16基を建てて24日中に完了へ電力供給サービス(1/2 ページ)

熊本県内で現在も送電線が使えない状態になっている阿蘇・高森地区の復旧工事が急ピッチで進んでいる。既設の鉄塔や鉄柱の周辺で大規模な地滑りや地割れが発生して危険な状態にあるため、別の場所に仮の鉄塔・鉄柱を建てて新たなルートで送電する。24日(日)のうちに復旧できる見通しだ。

» 2016年04月22日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

続報(4月25日):「送電線の復旧工事完了は27日に延びる」

 地震の影響で使えなくなっている送電線は2系統ある。基幹の送電線が通る「熊本変電所」(熊本市)から分岐して「黒川第一発電所」(南阿蘇村、水力発電)を通った後に、「一の宮変電所」(阿蘇市)と「高森変電所」(高森町)まで電力を送る66kV(キロボルト)の高圧送電線だ(図1)。

図1 地震の被害を受けて使えない状態になっている阿蘇・高森地区の送電線(画像をクリックすると九州全土の地図も表示)。出典:九州電力

 熊本県内で4月14日(木)と16日(土)に発生した震度7の地震によって、送電線を支える鉄塔や鉄柱の周辺で大規模な地滑りや地割れが発生したためである。一部の鉄塔・鉄柱が傾斜したり変形したりする状態になっている(図2)。

図2  阿蘇・高森地区で発生した送電線の被害状況。出典:九州電力

 今後の余震や降雨によっては倒壊するリスクが高く、通常どおり熊本方面から電力を供給することができない。現在は緊急対策として100台以上の高圧発電機車から送電線に電力を供給して停電を解消しているが、できるだけ早く送電線を復旧させて通常の体制に戻すことが求められている。

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