40年以上稼働した地熱発電所が小休止、7年後に出力1.5倍で再稼働自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年06月09日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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既存の敷地を活用

 新しい発電設備はこれまでの発電所の敷地内に建設する(図4)。事業実施想定区域は「栗駒国定公園」内にあるため、新たな敷地造成などは行わない。J-Powerによる事前の環境評価では、この新設工事による「鬼首カルデラ」「鬼首火山群」「片山地獄」などの周辺にある景観資源や植物への影響は少ないとしている。

図4 設備更新後の発電所敷地内のイメージ 出典:電源開発

発電方式をダブルフラッシュ方式に

 新たに建設する発電設備は「ダブルフラッシュ方式」を採用する計画だ(図5)。通常の地熱発電の設備では、地中から湧き出る蒸気を利用してタービンを回転させる「シングルフラッシュ方式」を用いることが多い。

 これに対しダブルフラッシュ方式は蒸気と一緒に噴出する熱水から、二次蒸気を発生させてタービンの回転数を増やす。そのためシングルフラッシュ方式に比べて出力を15〜20%大きくなる利点がある。こうした新設備などの導入により、鬼首地熱発電所の出力は現在の15MW(メガワット)から23MW程度にまで増える見込みだ。

図5 新設する発電設備の概要 出典:電源開発
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