福岡県北九州市は風況にめぐまれた北九州港の周辺区域を「風力発電関連産業のアジア総合拠点」として発展させるプロジェクトを推進している。この取り組みの一環として、国土交通省に洋上風力発電の導入拡大に向け申請していた港湾区域の拡張が認められた。洋上風力発電の導入に関する港湾区域の変更事案は日本初のケースだ。
国土交通省は2016年6月10日、福岡県北九州市が北九州港周辺区域における洋上風力発電施設の導入拡大を目的に申請していた港湾区域の拡張に同意したと発表した(図1)。港湾法に基づき同年4月に申請していたもので、洋上風力発電施設の導入に関する港湾区域の変更事案は日本で初めての事例となる。
九州の最北端にある北九州港周辺は風況にめぐまれた地域であり、風力発電の導入に適している。既に沖合ではNEDOと電源開発が設置した実証用の洋上風力発電設備が運転している他、太陽光発電設備などの導入も進んでいる(関連記事)。再生可能エネルギーの導入が積極的に進められている地域だ。
国土交通省に認められた港湾区域の変更申請は、洋上風力発電施設の導入にあたり、港湾管理者である北九州市が経済的に一体の港湾として管理運営するために必要な、最小限度の区域の確保を目的に行ったもの(図2)。隣接する一般海域を港湾区域に編入することで、管理しやすくする狙いである。国土交通省としては港湾法上問題となる点が認められないと判断し、同意したとしている。
今回の変更申請によって拡張されたのは、西部に位置する響灘地区周辺の港湾区域約2700ヘクタール。これにより、北九州市が以前から取り組んでいる響灘地区を「風力発電関連産業のアジア総合拠点」として発展させる計画が前進する。
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