中部電力の「御前崎風力発電所」(静岡県御前崎市)で、2016年3月に発生したブレード破損の原因が判明した。当日未明に発生した落雷で破損し、その後も風車の運転が続いたため破片が飛散した。中部電力では設備への落雷を検知した場合に自動的に運転を停止する装置を導入するなど、安全対策を進める。
2010年から稼働を開始している中部電力の「御前崎風力発電所」(静岡県御前崎市)は、11基の風車を利用した合計出力22MW(メガワット)の発電所だ(図1)。同発電所で2016年3月28日に風車1基のブレード先端が破損し、その破片が風車の周辺に飛散した。中部電力は原因調査を進めてきたが、このほどブレードの破損は落雷の影響であることが分かったと発表した。
破損したのは静岡県御前崎市の合戸字西前にあるタワー高さ80.4メートル、ローター直径80メートル、ブレード長さ39メートルの4号機。日立製作所製の風車だ。当日未明の落雷によって、ブレード先端の一部が損傷した。さらにその後も風車が運転を継続した影響で損傷が拡大し、破片が風車の周辺に飛散したという(図2)。なお、けが人などはなかった。
中部電力は破損事故の発生後から、残る10基を含め全ての風車の運転を停止していた。今回事故原因を特定できたことを受け、対策として設備への落雷を検知した場合に自動的に運転を停止する装置を、風車全11基に設置することを決めた。
4号機を除く10基については、既に対策工事と風車の点検を実施し、設備の健全性が確認できたとして2016年6月16日より運転を再開している。4号機については、ブレードの修理方法の検討を進めており、修理が完了し次第運転を再開する予定だ。
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