再生可能エネルギーの電力が前年比1.5倍に、2015年度の買取量は1200万世帯分自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年07月14日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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都道府県別では茨城県が1位に躍進

 2012年7月に固定価格買取制度が始まって以降、全国各地で再生可能エネルギーの導入が活発に進んできた。制度開始から3年半を経過した2016年3月の時点では、電力の消費量が多い関東の各県で導入量が大きく伸びている。全国47都道府県のうち1位は茨城県で、2位が千葉県、さらに6位に栃木県、10位に群馬県が続く(図3)。

図3 導入量が多い都道府県トップ10(2016年3月時点の新規認定分)。単位:キロワット。バイオマスは燃料の比率を反映。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 いずれの県も太陽光発電が圧倒的に多いが、茨城県では風力とバイオマスの伸びも著しい。このほかの上位10県では、風力は鹿児島県と北海道、中小水力は北海道と静岡県の導入量が多く、地熱は鹿児島県だけである。バイオマスは茨城県をはじめ6つの県で1万kWを超える規模の発電設備が運転を開始している。

 さらに運転開始前の発電設備を加えた認定量でも茨城県が1位に躍進した(図4)。1年前と比べて55万kWの大幅な増加で、特にバイオマスが31万kWも伸びた。そのほとんどが木質バイオマスである。製材端材や輸入材を燃料に利用する発電設備が多い。

図4 認定量が多い都道府県トップ10(2016年3月時点の新規認定分)。単位:キロワット。バイオマスは燃料の比率を反映。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 第2位は福島県で、認定設備の規模は1年前の時点から45万kWも減少してしまった。太陽光発電の認定取り消し分が数多く発生したためだ。それ以外の風力・中小水力・地熱・バイオマスは着実に増えている。第3位の鹿児島県でも太陽光発電の認定量が減ったが、他県ではさほど伸びていない中小水力と地熱が1000kW前後も増加した。

 このほか第7位に宮崎県、第10位に熊本県が入り、九州では引き続き再生可能エネルギーの取り組みが活発だ。宮崎県では風力とバイオマス、熊本県では中小水力の多さが目を引く。同様に再生可能エネルギーの資源が豊富な東北からは、福島県に加えて第6位に宮城県が入った。風力とバイオマスの発電設備が増えている。第8位の北海道でも風力とバイオマスが大幅に伸びた。

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