プリンスホテルが「軽井沢千ヶ滝別荘地」の開発を始めたのは100年近く前の1918年にさかのぼる。当時は地域内に電力源が存在しなかったことから、別荘地の自家用発電設備として1924年に湯川に近い「東区」で小水力発電所の建設に着手した(図3)。しかし実際に運転を開始できたのは終戦後の1951年になってからである。
当初は周波数50Hz(ヘルツ)の電力を別荘地内の住宅や施設に供給していた。その後に周辺のグループ施設にも電力を供給するため、1986年に60Hzの電力を供給する方式に変更した。長野県は中部電力の管内で、地域の送配電ネットワークを通じて電力を供給するには60Hzで送電する必要がある。今回の全面改修では発電所から電力を送り出す配電線も刷新した。
プリンスホテルは全国に展開するホテルの敷地内や周辺の土地を利用して太陽光発電にも取り組んでいる。現在は北海道から宮崎県まで5カ所のメガソーラーを運転中で、発電能力を合計すると6MW(メガワット)になる。プリンスホテルが属する西武グループ全体では12MWに達して、年間の発電量は1244万kWhにのぼる(図4)。
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