出力抑制が頻発した離島、「仮想発電所」で太陽光の発電損失を回避エネルギー管理(2/2 ページ)

» 2016年08月04日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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定置型から電気自動車まで、蓄電池をフル活用

 実証では壱岐島で発電事業を行っている壱岐開発が運営する「壱岐ソーラーパーク」を利用する。SBエナジーがアグリゲーターとして壱岐島内に点在する蓄電設備を遠隔制御し、九州電力から同発電所に課せられる出力抑制分の電力量の供給先を創出していく(図2)。

図2 実証事業のイメージ 出典:SBエナジー

 電力供給先となる蓄電設備は、既設の定置型蓄電設備の他、日産自動車が壱岐市役所へ 3年間の無償貸与を行っている電気自動車(EV)、壱岐島内の一般家庭に設置する蓄電設備などを活用する計画だ。SBエナジーは蓄電設備の容量情報を基に、出力制御指令の前日には必要な蓄電量を確保するための遠隔制御指令を行う。

 制御実施当日は発電事業者向けに新たに確保した電力需要量に応じた出力制御指令をリアルタイムで発令し、需要側コントロールによる需給バランス調整を行う。これにより太陽光発電事業者の発電機会損失を回避する狙いだ。

 実証にはSBエナジー、九州電力、壱岐開発の他、パワコンメーカーのオムロン、東芝三菱産業機器、日産自動車が協力会社として参加する。実証は2016年7月25日〜2017年2月28日まで実施する。

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