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» 2016年09月02日 11時00分 公開

法制度・規制:エネルギー関連の概算要求は9140億円、省エネの加速や再エネ・水素の普及に (3/3)

[石田雅也,スマートジャパン]
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メタンハイドレートやCO2貯留にも注力

 省エネ・再エネ以外の分野では、エネルギー資源の確保と低炭素化をテーマに「エネルギーセキュリティの強化」に1912億円の予算を要求した。石油・石炭・天然ガスといった化石燃料の確保が狙いで、国産の石油・天然ガスの開発とメタンハイドレートの調査・研究が含まれている(図6)。2017年度から新たに271億円の予算を確保して国内の資源開発を推進する。

図6 メタンハイドレートの賦存状況。BSR:海底疑似反射面。出典:経済産業省

 低炭素化に関しては、火力発電の高効率化と二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture & Storage)に焦点を絞って技術開発を進めていく。火力発電の高効率化は広島県で実施中の石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated coal Gasification Fuel Cell combined cycle)に重点的に取り組む方針だ(図7)。概算要求で137億円の予算を見込んでいる。

図7 次世代火力発電の技術開発事業。出典:経済産業省

 火力発電の最大の課題はCO2排出量を削減する点にある。北海道の苫小牧市で計画中のCCSの実証試験に89億円を投入する。2017年度は近隣の製油所で発生する排ガスからCO2を分離・回収して、地中へ貯留する試験を実施する予定だ(図8)。合わせて日本の近海で貯留の適地を調査する事業に12億5000万円の予算を配分する。

図8 CCS(二酸化炭素回収・貯留)の実施イメージ。出典:経済産業省

 このほか2017年度の概算要求には、福島県の再生可能エネルギーを拡大する福島新エネ社会構想を推進する予算として425億円を盛り込んだ(図9)。その一方で原子力発電所の立地地域を支援するための交付金に多額の予算を投入し続けることも見過ごせない。2016年度の予算は869億円にのぼり、2017年度は少し減らして836億円を要求した。

図9 エネルギー関係の概算要求の全体(画像をクリックすると拡大)。数値の単位は億円(2017年度←2016年度)。補:2016年度補正予算。出典:経済産業省
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