孫氏と中国国家電網の劉氏は「国々はお互いにつながりあうことが必要だ」というビジョンで意気投合したという。さらに、モンゴルから日本まで送電するにはその他の国の協力も必要となることから、ロシア(ロシアグリッド)、韓国(韓国電力公社)へも声掛けして、4社は2016年3月に事業開始に向けての調査を開始するMOUを締結した。孫氏はこの北東アジアを結ぶGridを「ゴールデンリング」と名付けている(図4)。
この4か国を合わせるとアジア全体の発電量の76%、電力消費の77%を占めているからで、「これをつなげることは世界の希望となる」(孫氏)とこの送電ルートを位置付けている。採算面でもロシアルート、中国〜韓国ルートともに試算によると日本での石炭での火力発電よりも低コストになる可能性がみえてきており、孫氏は「これはいけるのではないか」と現実味が帯びてきていることに自信をみせた。(図5)
孫氏は最後に「2020年の東京オリンピックのころには、聖火ランナーのようにこのゴールデンリングがつながれば」と述べ、あいさつを締めくくった。
また、孫氏は「自然エネルギー拡大を加速し、世界の送電網に大量導入するために」をテーマとしたディスカッションにも参加し、「情報や通信という業界では、既に世界がつながっているが、電力はなぜつながらないのか」という疑問を投げかけた。さらに、「Asia Super Grid」ビジョンの政治的な問題の解決に向けて「日本の政治家にもバランスの取れた人がいる。多くの問題は常にあるが、どの段階でコミットメントできるか、政治家としてのリーダーシップを発揮してもらえるものと信じている」と期待感を示した。
なお、ディカッションには劉氏、韓国電力公社チョ・ファンイク社長、OJSC ROSSETI社オレグ・ブダルギン社長(ロシア)、ロッキー・マウンテン研究所エイモリー・B・ロビンス名誉会長が参加した。
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