気に入った発電所を選び、そこからの電気を購入することは、その発電所を応援することにもなる。選ばれた発電所には、電気料金(基本料金)の一部が“応援金”として分配される仕組みになっているのだ(図2)。この仕組みは、“発電所とつながる面白さ”や“参加できる歓び”をも提供する。それは、「顔の見える発電所」ならではの付加価値だと言えるだろう。
みんな電力では、こうした付加価値によって、再エネ志向の強い“こだわり層”だけでなく、消費者の大勢を占める“無関心層”をも取り込んでいきたい考え。そのために現在、電力に関心の無い人にもアピールできるような面白い発電所をつくろうとプロジェクトを進めている。具体的には、アーティストやアイドルによる太陽光発電所だ。すでに某有名アーティストが、みんな電力の呼び掛けに応えて発電所オーナーになったという。
選んだ発電所からは、電気以外のサービスも提供される。例えば、ミュージシャンの発電所なら1曲ダウンロードできるとか、アイドルの発電所なら一緒に発電所見学ができるといった具合だ。コンサートの優先予約券や、握手券なども検討されている。前述の市民発電所でもヨーグルトがプレゼントされるなど、それぞれに個性豊かな特典が用意される。
みんな電力の大石英司社長は、「面白い発電所がたくさん並んだ“ショッピングモール”ならぬ“電力モール”をWeb上に構築したい」と、そのビジョンを語っている。
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