トヨタが燃料電池バスを市場投入、東京で2017年春から運行開始電気自動車(2/2 ページ)

» 2016年10月25日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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外部給電も実現、2020年までに100台を導入

 FCバスは、非常時を想定した大容量の外部電源供給システムも搭載している。これは最高出力9kW、容量235kWh(キロワット時)の電力供給能力を備えており、災害などの停電時に、学校体育館などの避難所や家電の電源として利用できる。

 トヨタはこれまでにFCバスの実用化に向け、試作車両を利用した公道での実証を複数行ってきた。2015年1月には愛知県豊田市内の路線バスで、同年7月から東京都内で都営バスの営業所を起点とした走行実証と、江東区の「東京都環境科学研究所」で外部給電の実証を行っている(図2)。

図2 外部給電のイメージ 出典:トヨタ自動車

 トヨタは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバスの導入を予定している。さらに2018年からは新型のFCバスによる導入拡大を目指し、新車両の開発も進めているという。

 今回、東京都交通局のFCバス導入は、国土交通省が実施している「地域交通グリーン化事業」の対象案件として採択されている。これは国土交通省が自動車運送事業者などに対して、電気自動車バス・タクシー・トラック、FCバス・タクシーなどの導入を支援する事業。FCバスの導入が採択されたのはこれが初となり、車両価格の2分の1が補助される。FCバスによる運行は、2017年3月からスタートする予定だ。

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