パワーエレクトロニクス最前線 特集

さまざまな蓄電池に対応する新型パワコン、日新電機が開発蓄電・発電機器

日新電機は、625キロボルトアンペア(kVA)蓄電池用パワーコンディショナー(PCS)を新たに開発、2018年2月より販売開始したと発表した。リチウムイオン電池、鉛電池、レドックスフロー電池、NAS電池など各種蓄電池に対応可能としている。

» 2018年02月22日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 日新電機は、汎用タイプの625キロボルトアンペア(kVA)蓄電池用パワーコンディショナー(PCS)を新たに開発、2018年2月より販売開始したと発表した。各種蓄電池に対応可能としている。

交直変換器盤(右)と屋外用パッケージへの収納イメージ 出典:日新電機

 気象条件によって発電量が変動する太陽光発電や風力発電の導入拡大などで、需給調整の重要性が一層高まっており、需要家側で調整するバーチャルパワープラント(VPP)の取り組みも始まっている。

 この需給調整の有力な方法の1つが蓄電池システムで、その充放電を制御するのが蓄電池用PCSだ。同社は蓄電池システムおよび蓄電池用PCSで20年以上の実績がある。その経験を生かし、今回、交直変換器盤、屋外用パッケージ、連系変圧器から構成される定格出力625kVAの蓄電池用PCSを開発した。

 本製品では直流電圧範囲が470〜750Vと広範囲なため、各種蓄電池(リチウムイオン電池、鉛電池、レドックスフロー電池、NAS電池など)に対応可能だ。また、負荷平準化(ピークカット、ピークシフト)、自立運転、外部制御システムとの連携機能を標準装備し、負荷平準化の自動運転中でも外部(上位通信)からの充放電指令に応答可能として、VPPでの運用に適するという。

 変換効率は97%以上(定格運転時、補機損は含まず)で、交流電圧は三相3線280V(変圧器により6.6kVに昇圧)、外形寸法は3000×1000×2250mm(屋外用パッケージは含まず)となる。

 同社では本製品の用途として、契約電力の低減や系統停電時のバックアップ用の蓄電池システム、再生可能エネルギー発電の出力変動緩和および、VPP事業、電気事業者向けの電力需給調整サービス用の蓄電池システムを見込む。

 同社では2020年に、蓄電池用PCS(蓄電池システム含む)で10億円の売上高を目指すとしている。

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