大和ハウスが100%再エネを表明、建設・住宅業で世界初のEP100・RE100にダブル加盟自然エネルギー

大和ハウス工業がエネルギー効率および再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「EP100」と「RE100」に加盟。双方への加盟は建設・住宅業界で世界初という。

» 2018年03月06日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 大和ハウス工業は2018年3月1日、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「EP100」と「RE100」に加盟したと発表した。同社によると、双方への加盟は建設・住宅業界で世界初。また、EP100に加盟した日本初の企業になるとしている。ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governanceの略語)投資が注目される中、EP100やRE100は世界的な投資判断基準の1つとされている。大和ハウス工業では両イニシアティブへの加盟により財務基盤のさらなる強化を図る狙いだ。

 EP100、RE100は国連気候変動枠組条約「COP21」のパリ協定達成を目的に、エネルギーや気候変動適応などを推進するため、クライメイトグループが運営する国際イニシアティブ。EP100は、エネルギー効率の高い技術や取り組みの導入を通じて、事業のエネルギー効率を倍増することを目標に掲げる企業連合で、RE100は事業運営に要する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業連合のことだ。

「EP100」と「RE100」が目指すエネルギー目標 出典:大和ハウス

 大和ハウスグループは環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」に基づき、グループ・グローバル一体での環境経営を推進し、「環境負荷ゼロ」に挑戦している。2016年度には大和ハウスグループの事業活動におけるエネルギー効率(消費エネルギー量あたりの売上高)で2005年度比約2倍を達成した。そして、既存・新築の自社施設でのさらなる省エネルギーの実現に向けて、EP100に加盟することとなった。

 また、同グループは、2007年に愛媛県佐田岬に風力発電所を建設し、発電事業に本格参入した。その後、2012年に自社施設の屋根や未利用地で、メガソーラー事業を開始。2015年には岐阜県飛騨市に水力発電所を建設して、水力発電事業に参入するなど、風力、太陽光、水力の再生可能エネルギー資源の有効活用をテーマに、自社未利用地を活用した再生可能エネルギーによる発電事業を推進している。

 その結果、同グループの再生可能エネルギー発電設備は、227MW(2017年12月末時点)まで達しており、その発電量は大和ハウスグループの総電力使用量481GWh(ギガワット時)。の約6割に相当する。同グループでは今回、さらなる再生可能エネルギーの活用を推進するため、RE100に加盟した。

 同グループは、両イニシアティブへの加盟を機に、自社施設でのエネルギー効率向上と再生可能エネルギーの活用を加速させる。そのモデルケースとして、2018年2月26日に完成した「大和ハウス佐賀ビル」では、先進的な空調システムなどの導入などにより、一般建築と比較して2倍以上のエネルギー効率の達成を目指す。さらに、83.2kWの太陽光発電、容量75kWh(キロワット時)リチウムイオン蓄電池を組み合わせた電力自立システムにより、再生可能エネルギーによる電力自給自足オフィスを実現した。今後、同施設で得られた成果を自社施設へ水平展開するとともに、ショールームとしても活用し、顧客への環境配慮型施設の提案・普及を加速させる方針だ(関連記事「日本初の“電力会社に依存しない”ビル、太陽光100%で実証運用 」)。

太陽光の電力100%で運用する「大和ハウス佐賀ビル」 出典:大和ハウス

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