日新電機が受変電設備の故障を予知するシステムを開発。複数のセンサーから集めた設備データを人工知能(AI)を用いて分析し、故障予兆を検出する。2018年度中の実用化を目指す。
日新電機(京都市)は、受変電設備の故障予兆を検出し停電・故障などの急なトラブルを防ぐ診断システム「電気設備DOCTOR(ドクター)」を開発したと発表した。複数のセンサーから集めた設備データを人工知能(AI)を用いて分析し、故障予兆を検出する。設備の保守・メンテナンスにかかる労力を省力化でき、効率的な設備運用が可能になるという。2018年度中の実用化を目指す。
近年、ベテラン保守技術者の減少により、受変電設備の安定稼働を担う人材が不足してきており、保守・メンテナンスの効率化ニーズが高まっている。同社では、受変電設備を工場やショッピングセンターなどの特高需要家に数多く提供しており、その中で培った機器劣化状態を検知する技術・ノウハウを基に、変圧器などの部分放電検出装置DCMシリーズ、ガス絶縁開閉装置の可搬形絶縁診断装置PITシリーズ、配電盤の盤内環境をセンシングする複合環境センサーシリーズなどの診断装置を開発してきた。
電気設備DOCTORは、これらの同社オリジナルの診断装置と、IoT・クラウド・AI技術を活用した受変電設備診断システムとなっている。
従来は、定期巡視などで各装置、センサの状態をメンテナンス員が現場で直接確認し、状況によっては不定期で活線機器の劣化状態の判定を行っていた。電気設備DOCTORを導入することで、各センサーデータをクラウドに自動的に収集・分析する常時監視が可能となり、さらに得られたデータから点検周期や優先順位の決定を行うことで保守・メンテナンス業務の効率化に役立つとしている。
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