「多品種・小ロット」の印刷ビジネス領域を広げる提案、ローランドIGAS 2018

ローランド ディー.ジー.は「IGAS2018」で、店舗装飾やディスプレイをはじめ、ギフトやノベルティなどの多品種・小ロット製品に応えるプリントビジネスを提案した。

» 2018年08月07日 11時00分 公開
[石原忍BUILT]

 ローランド ディー.ジー.は、これまで注力してきたサイン・ディスプレイに限らず、オリジナルグッズやパッケージ試作など、プリントビジネスの領域を広げるプリンタを「IGAS2018」で出展した。

UV機をメインに、付加価値のある印刷ビジネスを提案

 インクをUV-LEDランプで硬化させ、スマホケースなどに加飾表現が可能なUVプリンタは、フラットベッドタイプの2機種を出品した。「MR-008」は、従来機よりも奥行きを2倍以上に拡張し、800×800mm(ミリ)のテーブルを装備している。搭載しているECO-UVインクにより、ABSやポリカーボネート以外にも、TPUや革などの柔らかい素材にもダイレクトプリントが可能になった。

 もう1台のUV機は、MR-008よりもコンパクトな「VersaUV LEF-200」。インクはCMYKとホワイト以外に、インクと素材の密着性を高めるプライマーインクか、クリアインクを選択できる。プライマーインクは、必要な部分だけにプライマー処理を施せるため、素材の質感を損なうことがない。

 クリアインクは、高級感のあるグロスやマットの表現、インクを重ねて立体的に見せる厚盛り印刷、印刷面に凹凸を加えた見た目だけでなく触感まで再現する「シボ加工」といった各種印刷手法がインクジェットプリンタで応用できる。

写真左が「MR-008」、写真奥が「VersaUV LEF-200」

 軽包装フィルム出力やシールラベル製作向けでは、溶剤インク搭載の「VersaCAMM VS-300i」、UVインク搭載の「VersaUV LEC-330」の2機種を展示。ともにロールメディアに対応し、プリントに加えて印刷後に用紙を自由な形状にカットできるカッティング機能も有する。ウィンドウディスプレイ、POP、シール・ラベル、インテリア用品の装飾など、多様な用途が見込まれる。

写真手前が「VersaCAMM VS-300i」、奥が「VersaUV LEC-330」

 注目を集めたのは、半導体レーザー箔(はく)転写機「LD-80」。従来の箔押しでは困難だった、プラスチック素材への箔押しを実現した。

 出力時には、粉じんやガスが発生せず、メンテナンスも不要。イラストレーターのデータをそのまま使え、簡単な操作ステップで高級感のあるグッズ製作ができる。本体はコンパクトな設計で、オフィスや店頭以外にも、イベントなどでの持ち運んでの使用も考慮されている。

左端の半導体レーザー箔転写機「LD-80」と出力サンプル

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