積水ハウスが「卒FIT」を迎える住宅太陽光発電の余剰電力買い取りサービスを発表。同社の住宅ユーザー限定のサービスで、買い取った電力は自社の事業所に供給。「RE100」の目標達成に活用する狙いだ。
積水ハウスは2019年1月、国の固定買取価格制度(FIT)による電力の買い取り期間が満了となる住宅太陽光発電に対し、余剰電力を買い取る新サービス「積水ハウスオーナーでんき」を開始すると発表した。同社が建設した太陽光発電を備える住宅ユーザー限定のサービスで、2019年3月1日から事前の申し込み受け付けを開始する。
2019年11月以降、「卒FIT」を迎える住宅太陽光発電ユーザーが登場しはじめることに向け、各社が余剰電力の買い取りサービスなどを続々と発表している。こうした卒FITユーザー向けに、余剰電力の買い取りを行う積水ハウスオーナーでんきでは、サービス開始初期の買い取り単価を、市場価格より高い11円/kWh(キロワット時)に設定する。
積水ハウスでは買い取った太陽光の余剰電力を、同社のオフィスや工場、展示場の電力として活用する方針だ。同社は事業用で利用する電力を100%再生可能エネルギー由来にすることを掲げる国際イニシアチブ「RE100」に加盟している。加盟時に2030年までに再生可能エネルギーの利用比率を50%、2040年までに100%とする目標を掲げており、買い取った余剰電力をこの目標達成に活用する。
積水ハウスの試算によると、同社が建設した太陽光発電を備える住宅の総発電量は年間約700GWh(ギガワット時)にのぼるという。一方、同社グループ全体の年間事業用電力は120GWh。
積水ハウスの住宅ユーザーは毎年1万件程度が卒FITを迎える見込みで、全体の2〜3割の卒FIT電力を買い取ることができれば、再生可能エネルギー利用率100%を達成できる見込みとしている。
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