再エネを軸に地域活性化を目指す、全国ネット「JE-LINK」が発足自然エネルギー(2/3 ページ)

» 2019年07月08日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

地域循環共生圏の実現を視野に

川又孝太郎氏(環境省大臣官房環境計画課長)

 JE-LINKの活動には、環境省も期待を寄せているという。環境省大臣官房環境計画課長の川又孝太郎氏が、「地域活性化のための地域循環共生圏」をテーマに講演し、地域資源を生かして自立・分散型社会を形成し、地域の特性に応じて補完しあうことの重要性を説いた。

 川又氏は「今後、エネルギー需要は小さいが再エネポテンシャルの大きい地方と、再エネポテンシャルは小さいがエネルギー需要の大きい都市との連携が不可欠になる」と話す。エネルギーに関する資金の流れを「都市→中東」から「都市→地方」にシフトさせていくことが、地域活性化はもちろん、日本のエネルギー政策においても重要な意味をもつと強調した。

JE-LINKは地域循環共生圏の実現を支援

IoTなど最新の学術成果を共有

一色正男氏(神奈川工科大学スマートハウス研究センター所長)

 学術界からは、神奈川工科大学創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科教授・スマートハウス研究センター所長の一色正男氏が、地域活性化のためのエネルギーマネジメントについてレクチャー。HEMS(Home Energy Management System)やCEMS(C・ommunity Energy Management System)を生かしたコミュニティーのあり方、人と人のきずなを支援するIoTサービスの将来像などを示した。


本田明弘氏(国立大学法人弘前大学地域戦略研究所所長)

 国立大学法人弘前大学地域戦略研究所所長の本田明弘氏は、地域活性化に結びつく再生可能エネルギーをテーマに、青森県で進められている洋上風力発電への取り組みについて紹介した。この中で本田氏は、今年4月に洋上風力発電の導入を促進するための法律「再エネ海域利用法」が施行されたが、これを実のあるものにするためには「地域での理解促進」が何よりも重要であると力を込めた。

 この他、「電力自由化の課題、地域活性化を妨げるもの」をテーマに、一般社団法人日本卸電力取引所企画業務部長の國松亮一氏が、「公平で公正な電力市場の確立の必要性」について解説。村谷法務行政書士事務所の村谷敬氏が、「近視眼に陥らない電力情報の読み解き方」と題して講義した。

國松亮一氏(一般社団法人日本卸電力取引所企画業務部長)/村谷敬氏氏(村谷法務行政書士事務所 行政書士)

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