ガラスのようなカネカの太陽電池、トヨタ製の小型EVに採用太陽光

カネカは同社が開発した結晶シリコン太陽電池が、トヨタ自動車の低速自動運転EV「e-Palette」のルーフガラス部分に採用されたと発表した。

» 2020年08月12日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 カネカは2020年7月31日、同社が開発した結晶シリコン太陽電池が、トヨタ自動車の低速自動運転EV「e-Palette」のルーフガラス部分に採用されたと発表した。

トヨタ自動車の低速自動運転EV「e-Palette」 出典:トヨタ自動車

 今回採用された製品は、カネカが開発したヘテロ接合技術とバックコンタクト技術を組み合わせた、「ヘテロ接合バックコンタクト型」の結晶シリコン太陽電池である。同社の独自開発による、高い変換効率と優れた意匠性が評価されたという。

 ヘテロ接合技術は、物性の異なる半導体材料を接合する技術で、結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合わせによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合わせることで変換効率が向上する。同社調べでは、本製品は、結晶シリコン太陽電池として世界最高の変換効率26.7%を達成した。

「e-Palette」にルーフガラス部分に搭載されたカネカの太陽電池 出典:カネカ

 バックコンタクト技術は、太陽電池の裏側にのみ電極を作り電気を取り出す技術で、電極を裏面に集約できる。表面に配線がなく、受光面を広くできるため、変換効率を高めつつ、自動車用ガラスに近い意匠性を実現。また、同社の車載用太陽電池は曲面状に設計することができ、自動車ボディへの設置が可能となった。

 同社は、今後、走行距離延長や二酸化炭素削減に貢献するソリューションとして車載用太陽電池の提案を引き続き強化し、EVやハイブリッドカーへのさらなる採用を目指して取り組んでいく。

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