新型・次世代太陽電池の世界市場、2035年に8300億円規模に成長太陽光

調査会社の富士経済は2022年4月20日、有機薄膜太陽電池やペロブスカイト太陽電池などの新型・次世代太陽電池の世界市場に関する調査結果を発表した。2035年の市場規模は、2021年比で22.6倍の8300億円に拡大すると予測している。

» 2022年04月26日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 調査会社の富士経済は2022年4月20日、有機薄膜太陽電池やペロブスカイト太陽電池などの新型・次世代太陽電池の世界市場に関する調査結果を発表した。2035年の市場規模は、2021年比で22.6倍の8300億円に拡大すると予測している。

 市場の拡大を最もけん引すると見られているのが、ペロブスカイト太陽電池だ。溶液を塗布するだけで製造でき、現在主流のシリコン系の太陽電池より高い変換効率が期待できる他、軽量なため建材などにも適用しやすいとして、今後の普及が期待されている。

 既に欧州や中国ベンチャー企業を中心に、2020年から2021年にかけて商用化が始まっており、調査では2022年の市場は前年比2.7倍の400億円と予測。今後、本格的な量産が開始されるとみられ、特に既存太陽電池からの屋外用途の代替需要は、潜在的な市場ポテンシャルが高いとしている。こうした見通しから、2035年の市場規模は2021年比で48倍の倍の7200億円に拡大すると予測している。

新型・次世代太陽電池の市場規模予測 出典:富士経済

 この他、有機薄膜太陽電池は、建材や窓用、衣料品、タペストリーなどへの応用も進んでおり、2022年の市場は前年比12.5%増の180億円で、今後は建材向けなどを中心に需要が拡大すると予測。

 また、室内光でも発電できるという特性から、無線通信やセンサーの電源として利用されている色素増感太陽電池の2022年の市場規模は60億円程度だが、今後は、発電デバイス単体ではなく、通信デバイスやセンサー、蓄電池などと一体化したモジュールとしての提案を中心に採用が広がり、2035年の市場規模は350億円まで拡大すると予測している。

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