超高層ビル屋上に垂直軸型の風力発電、三井不動産のビルで実証蓄電・発電機器

大成建設、風力発電ベンチャーのチャレナジー、三井不動産は、超高層ビル屋上においては国内初となる垂直軸型サボニウス式風車の発電実証に取り組むと発表した。

» 2024年10月30日 17時00分 公開
[スマートジャパン]

 大成建設と風力発電ベンチャーのチャレナジーは2024年10月23日、三井不動産の協力のもと、超高層ビル屋上においては国内初となる垂直軸型サボニウス式風車の発電実証を開始すると発表した。2025年4月から2026年3月を予定している。

 昨今、新たな再生可能エネルギーの導入場所としてビル屋上など、建築物の上部に設置するケースが注目されている。しかし一般的な水平軸型プロペラ式風車は、風車の風切り音や発電モーターの振動、設置面積の問題や、安定して風を得にくいなどの課題があり、ビルの屋上などに導入されるケースは少なかった。

 今回の実証では、こうした高層ビルの屋上に適した発電システムとして、サボニウス式風車を検証する。同風車は垂直軸型で、太陽光発電やプロペラ式風車と比較し、設置に必要な面積が小さく、装置本体を3平方メートル程度の範囲内で設置可能だという。1基当たりの総重量は290kgで、かつ分割可能な構造とすることで重機を使わずに組み立てが可能だ。

実証で設置する垂直軸型サボニウス式風車(左)と実証を行う「横浜三井ビルディング」 出典:チャレナジー

 また、サボニウス式風車はあらゆる方位からの風で回転でき、風向の変化や弱風にも対応しやすいメリットがあるという。構造上、風切り音やモーターの振動も抑えやすく、プロペラ式風車に比べて鳥が視認しやすいため、バードストライクなども発生しにくいとしている。

 実証は三井不動産の「横浜三井ビルディング」(地上30階、地下2階、塔屋3階 高さ152.20m)の屋上に設置し、発電した電力は非常用電源などとして活用する計画だ。

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