ベンチャー企業のチャレナジーが取り組む「台風発電」のクラウドファンディングが順調だ。既に目標金額としていた200万円を突破し、2016年夏に実施する屋外実証用の費用を獲得できる見込みだ。
チャレナジーは2014年創業の研究開発型ものづくりスタートアップ企業だ。東京都墨田区の助成金プロジェクトで採択されたモノづくり拠点「Garage Sumida(ガレージスミダ)」(関連記事)を本拠としている。
同社が板金加工企業の浜野製作所などと実現に取り組んでいるのが、プロペラのない風力発電機である「垂直軸型マグナス風力発電機」だ(図1)。
風力発電は再生可能エネルギーとしては効率が高く、世界の再生可能エネルギーの中でも発電量は水力に次いで2番目に多い。しかし、日本の場合は太陽光発電に偏重しており、風力の比率は非常に低い状況が続いている(関連記事)。この日本で風力発電の普及を妨げてきた要因にはさまざまなものがあるが、要因の1つとして日本では風が一定に吹き続けている場所が少ないという点が挙げられる。
風力発電は、風が吹けば吹くほどよいというように思われがちだが、実は台風などの強風が吹く状況では、ブレードなどが破損する可能性があるため、発電を行えない。チャレナジーの取り組む垂直軸型マグナス風力発電機はこれらの課題を解決し、台風などの強風時でも発電を行える他、従来設置できなかった小さな環境にも設置することを目指したものだ。
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