シリコン系かペロブスカイトかを問わず太陽光パネルを住宅・建築物に設置する場合、建築基準法への適合が求められる。特にペロブスカイトは低耐荷重の屋根や壁面等への設置が想定されるため、「次世代型太陽電池戦略」においても、安全性・維持管理性・施工性を考慮した製品の開発及び施工方法の確立を進めることとしている。
今後、国土交通省等の関係省庁と連携しながら、施工に関するガイドライン策定に向けた検討を行う予定としている。
ペロブスカイト太陽電池の原料となる資源の生産国は図7のとおりである。発電層(ペロブスカイト層)の主な原料であるヨウ素の年間生産量は現在34,000トンであり、日本はチリに次ぐ世界第二位の生産国である。現在ヨウ素は、レントゲン造影剤や防カビ剤、医薬品など幅広い用途に使用されている。
事務局資料によれば、ペロブスカイト太陽電池1m2の製造に必要なヨウ素の量は、約1gである。ここで年間1GWのペロブスカイト太陽電池を生産すると仮定した場合、先述の面積当たりの発電容量(屋根設置150W/m2=変換効率15%)から逆算すると、約667万m2に相当し、約7トンのヨウ素を使用すると考えられる。その他の原材料についても、特定国に依存しない強靱なサプライチェーンを構築する観点から精査していく予定としている。
なお、現行のペロブスカイトでは、発電層1m2当たり0.5g程度の鉛を含んでおり、スズを用いた鉛フリー化の研究開発も進められている。現在、既存の太陽電池を対象とした廃棄・リサイクル義務制度の検討が進められており、ペロブスカイト太陽電池についても当初から、含有物質情報を適切に管理することが求められる。
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