ペロブスカイトなど「次世代型太陽電池戦略」の進捗状況 普及に向けた新施策も第10回「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」(3/4 ページ)

» 2026年05月26日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

国内外のペロブスカイト太陽電池の需要推計

 国内のペロブスカイト太陽電池導入ポテンシャルを、設置場所別に発電コストの大小に応じて推計したものが図5である。日射量及び設備利用率等の違いによる経済性の観点から、まずは屋根から導入が開始され、発電コストの低下に伴い、垂直面である壁面や窓への導入が進んでいくことが見込まれる。

 例えば発電コスト15円/kWhの場合、国内の導入ポテンシャルは25GW程度であり、大半が屋根設置と見込まれる。また同じく15円/kWhの場合、部門別に見ると、率先導入する公共部門が20GWと大半であり、民間/個人所有が5GWと推計されている。

 また、タンデム型ペロブスカイト太陽電池が早期に商用化された場合、既設のシリコン太陽電池からのリプレースも見込まれる。FIT/FIP期間終了時点ですべてがタンデム型にリプレースされると仮定する場合、2040年までの累積リプレース容量は約67GW(既設導入容量+変換効率改善分)と推計されている。

図5.国内の導入ポテンシャル(設置場所別) 出典:次世代型太陽電池官民協議会

 また、2040年時点における海外での需要量は、発電コストが10〜14円/kWhの場合は約500〜1,000GW程度、発電コスト10円/kWhの場合、TW(テラワット)を超える需要量が見込まれている。

 シリコン系を含めた太陽光発電全体では2050年までに世界全体で累計18.2TWが導入されると予測されている。このとき、世界の市場規模は年間約140兆円と推計される。NEDOによると、2050年に次世代型太陽電池は太陽光発電市場全体の50%と推定されており、これを前提とすれば2050年の次世代型太陽電池関連の市場規模は約70.4兆円と想定される。仮に日本企業のシェアを25%とするならば、その経済効果は17.6兆円となる。

フレキシブル太陽電池の設計・施工ガイドライン

 フィルム型のようにフレキシブルなペロブスカイト太陽電池等の導入拡大においては、構造面・電気面での安全性の確保が重要である。このためNEDOでは、設計・施工時の要求事項や注意事項を示す「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」を2026年3月に作成・公表した。この初版では主に建物設置型を対象としているが、今後は地上設置型も対象とすることを検討するなど、さまざまな実証実験を踏まえ、ガイドラインを随時更新する予定としている。

図6.本ガイドラインに適用するPVモジュールと設置形態の例 出典:フレキシブル太陽電池ガイドライン

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