最も厳しい電力需要想定での供給予備率 2029年度東北・東京エリアでは1.6%に低下第2回「電力安定供給WG」(2/3 ページ)

» 2026年06月18日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

今回実施した需給バランス評価の算出方法

 供給計画においては、需要と供給のいずれも、短期(第1・第2年度、今回は2026・2027年度)と、長期(第3年度〜第10年度、今回は2028〜2035年度)では、その確度の違いに応じた推計が行われている。

 今回、長期年度の電力需給バランス評価において、過去10年間で最も厳気象であった年度並みの気象条件での最小予備率時に103%以上の供給力、つまり予備率3%以上を有するか否かの確認が行われた。

 まず需要については、供給計画では第1年度だけが厳気象H1需要を想定しており、長期年度ではH3需要のみが想定されている。このため、2028年度以降のH3需要想定値に2026年度(第1年度)で想定した厳気象影響量を加算することにより、厳気象H1需要想定値を算出した。

図5.中長期の厳気象H1需要の想定方法 出典:電力安定供給WG

 供給力については、3月公表の供給計画には、5月公表の第3回長期脱炭素電源オークションの約定結果が反映されていないため、これを加算するとともに、期中の変更届出内容を反映した。

 また、供給計画の第3年度(2028年度)以降は、長期の補修計画が確定していないため、多くの事業者からの供給計画には補修計画が反映されていない。このため、供給計画の第1・2年度(2026・2027年度)の補修計画から補修による減少率を電源種別毎に抽出し、2028〜2035年度に反映することで、補修を考慮した供給力とした。

図6.補修計画の反映方法 出典:電力安定供給WG

長期の厳気象H1需要時の需給見通し(ベースケース)

 以上の算出方法を踏まえ、さらに発動指令電源、火力増出力運転、エリア間融通を供給力として見込むことにより、長期の夏季・厳気象H1需要時の需給見通し(ベースケース)は、表2のように算出された。

 電力の安定供給に最低限必要な予備率は3%と言われており、2029年度の東北・東京エリアのH1予備率1.6%はこれを下回る厳しい見通しであり、予備率3%に対して東北エリアでは19万kW、東京エリアでは79万kWの供給力が不足している。

表2.厳気象H1需要(最小予備率となる時間帯)の予備率 出典:電力安定供給WG

 予備率は通常、全国で「最大需要となる時間帯」と全国で「最小予備率となる時間帯」で確認するが、ここでは最小予備率となる時間帯の予備率を表している。最小予備率時の需要は、2026年度の夏季24点データを各年度の最大需要時想定の伸び率で補正して算出した。

図7.最小予備率時の需要想定方法 出典:電力安定供給WG

 なお、H3需要(最大3日平均電力)に対する需給見通しとしては、全エリアで予備率7%以上の水準となることが確認されている。

表3.H3需要の予備率 出典:電力安定供給WG

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