表2でベースケースにおける長期の予備率を算出したが、これは一定の不確実性を抱えた試算値である。特に火力電源の休廃止については、供給計画に十分に反映されていないため、広域機関では、2つのリスクケースにおける予備率へのインパクトを試算した。
2016年度以降に公表された廃止/廃止予定の発電所における廃止までの稼働期間は、平均45年程度であると報告されている。よって、供給計画上のステータスを問わず、経年45年超過の電源は一律に廃止されると仮定する。
この場合、ベースケース(表2)と比べ、予備率は表4のように悪化(単位:%ポイント)する。高経年火力が多く、新増設の少ない北海道・四国エリアでは、相対的にインパクトが大きい試算結果となった。
2030年に向けて非効率な石炭火力のフェードアウトを促進するという方針を受け、実際に供給計画上でも、非効率石炭火力の44%が2029年度末までに休廃止を予定している。ここでは、すべての非効率石炭火力が2029年度末で廃止されると仮定する。
この場合、ベースケース(表2)と比べ、予備率は表5のように悪化(単位:%ポイント)する。北海道・四国以外のエリアでは、予備率低下のインパクトは1%ポイント程度と小さく、非効率石炭火力の大半がすでに退役済み(又は2029年度末までに廃止予定)であることが分かる。
なお、リスクケース1と2には重複があるため、単純に合計することが出来ない(同時発生の影響は小さくなる)ことに留意が必要である。また、ここでは供給力減少面でのリスクケースを試算したが、実際には、データセンター等の需要面での増加による需給逼迫も想定される。
中長期的な供給力については、長期脱炭素電源オークション等の施策により、電源の新増設を通じた一定量の確保が進んでいると考えられる。他方、最も需給が逼迫すると予想される2029年度への対策としては、既存の電源を最大限活用することが求められる。
容量市場はすでに実需給2029年度を対象としたメインオークションが開催済みであるが、2028年度には追加(調達)オークションの開催が予想される。また、2026年度夏季には追加供給力公募(kW公募)が実施され、休止火力が95.8万kW、DRが 1.7万kW確保された。
予備電源制度では2025年度募集において、2電源・計136万kWが落札しているが、これまで50Hzエリア(東日本)の落札はゼロである。今後は供給側の対策だけでなく、需要側リソースによるデマンドレスポンス(DR)のさらなる活用に向けた検討も求められる。
データセンターなどの系統空押さえ対策 2027年度から「容量開放」「費用精算」を導入へ
第3回長期脱炭素電源オークションの結果が公表 落札は32件・730万kWに
予備電源制度で初の落札 第2回募集の結果は2電源・計136万kWにCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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