太陽光発電、特に地上設置型の急速な導入拡大に伴い、安全面、防災面、景観、環境への影響等に対する地域社会の懸念が高まっている。2025年12月には「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が取りまとめられ、不適切事案に対する法的規制の強化等が順次進められている。また、地方公共団体においても、地域と共生した形での再エネ導入を求める条例の制定が増加している。
太陽光等の再エネ発電事業の実施に当たっては、関係法令・条例を順守することは必須であり、事業者は周辺地域の住民等へ適切な情報提供を行い、事業に対する地域の理解を醸成することが重要である。
資源エネルギー庁ではこれまでも、FIT/FIP認定における関係法令順守の要件化、法令違反時のFIT/FIP交付金の一時停止措置、説明会等による周辺地域の住民への事前周知措置など、事業規律の強化を進めてきた。よって、新たな「支援の重点化」の検討に当たっては、これらの対応を超えた、特に地域共生が図られた形で導入が期待されるものを選定する必要がある。
このため、地域社会との共生の観点では、「a.太陽光発電の導入による安全面、防災面、景観、環境等の公益への追加的な影響の度合い」、「b.自治体や国の事業への関与」を考慮することとした。
まず「a」の観点から地域社会との共生が図りやすい一つの類型として、屋根設置型があり、すでに一定の支援重点化が行われている。
これは、屋根設置型は既利用空間を重層的に活用するものであり、新たな土地開発を伴わず、従前の土地利用も大きく転換されないことから、安全面、防災面、景観、環境等への追加的な影響が比較的少ないという特徴があるためと考えられる。
よって屋根設置型以外であっても、新たな支援重点化の対象としては、このような特徴のある事業類型であることが重要となる。例えば、屋根設置型に類似した「ソーラーカーポート」や、空港や鉄道等の交通インフラ用地等の活用が期待される。
また、「b」の観点から地域社会との共生が図りやすい一つの類型として、環境省の「地域脱炭素化促進事業」や農林水産省の「農山漁村再エネ法」に基づく計画制度等があり、すでに一定のインセンティブ付与が行われている。
自治体や国が関与する事業では、首長や議会の承認といったプロセスを経ることにより、地域住民の理解醸成や事業に対する公的な監督が期待される。よって、新たな支援重点化の対象としては、自治体・国が事業に関与する類型であることが重要となる。
なお、これまで政府保有施設における太陽光発電の導入状況(設備容量)は、2030年度目標58MWに対してわずか2.8%(1.6MW)、地方公共団体保有施設では目標4,824MWに対してわずか6.2%(300MW)という危機的な状況にある。今回の新たな支援重点化施策が、自治体・国自身の太陽光発電導入の後押しとなることも期待される。
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