容量市場メインオークションにおいて、発動指令電源には応札上限容量(全国H3需要の4%(2025年度まで。2026年度以降:5%))が設けられている。
発動指令電源のこのような高い市場退出率は、予定していた供給力が確保できず安定供給面で問題が生じ得るだけでなく、実質的に落札容量の一部を事前に枠取り(空押さえ)することにより、他の応札電源の落札を妨げる(不落札とさせる)ことに繋がっている。
制度上は、追加オークション(調達オークション)が開催されれば、これに応札することも可能であるが、追加オークションは必ず開催されるものではないため、メインオークション不落札時点で、当該電源を休廃止判断することも考えられる。
よって、追加オークションが開催されない場合、メインオークションで不落札となった電源などを市場退出となった容量に充当する措置を新たに設けることとした。いわば、「繰り上げ当選」のような仕組みと言える。
なお、実需給4年前時点では供給力として確保できない(つまり、メインオークションに参加できない)ものの、実需給年度近くで確保できる供給力もあることや、実効性テストの達成率が100%を上回る電源など(過達分)もあることから、これらも充当の対象とする。
なるべく供給力を埋没させず、可能な限り、リソースを活用していくため、制度の詳細については今後の検討予定としている。
1,000kW以上の供給力を安定的に供出可能な電源などは、本来、「安定電源」区分において応札すべきであるが、現在は応札区分の要件が不明確であることが課題として指摘されている。
1日1回以上連続3時間以上の運転継続が可能な能力を有する蓄電池(1,000kW以上)は、安定電源としての応札が原則(※)であるが、メーカーの公称仕様や実需給年度に期待できる容量をもとに、応札事業者自身が該当する区分(安定電源/発動指令電源)を判断している(※制度設計詳細が決定した2023年時点で投資済みであった蓄電池には例外措置がある)。
また所内負荷を有する自家発などの場合、自家消費の変動などを踏まえ、事業者自身の判断により、当該自家発を安定電源と発動指令電源に区分したうえで、1地点で複数応札することを可能としている。
この区分選択がニュートラルに行われるならば問題は少ないが、実際には、リクワイアメントの達成という観点では、安定電源と比べ発動指令電源では相対的に容易と捉えられているため、多くの事業者は、発動指令電源の区分を志向していると考えられる。
また、安定電源としての蓄電池は、揚水発電と同じ調整係数を用いる(つまり、供給力としての価値が目減りする)のに対して、アグリゲーター経由で参加する発動指令電源としての蓄電池には調整係数が適用されないことが、発動指令電源区分の志向に拍車を掛けていると考えられる。
これは、安定電源が本来持つ能力が十分に発揮されず、安定供給上の問題があるだけでなく、事業者間の公平性という観点でも問題があると言える。
容量市場在り方検討会では今後、安定電源と発動指令電源の応札区分の要件をより明確化するなど、事業者が適切な区分で応札することを促す方策について検討する予定としている。
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